こんな疑問を持つ初心者ボクサーに向けて、この記事では、
- インファイターとはどんな特長を持つ選手か
- どんな対策にインファイターは弱いのか
- インファイトを上達させるコツや練習法
などについて解説するよ。
僕のボクシング歴は3年以上。初心者ボクサーには参考になるかと
そもそもインファイターとは

「インファイター」とは「インファイトスタイルで戦うボクサー」を指す用語。
この「インファイト」の意味について、日本プロボクシング協会などの公式団体はいずれも定義を定めてはいない。
ただ、一般的な意味としては、
近距離で威力が増す攻撃(アッパーやフックなど)に主眼を置いて、ガンガン前に出て戦う、打撃力重視の戦法
って捉えておけば間違いない。
「はじめの一歩」の幕の内一歩は典型的なインファイターだよね
一方、インファイターとは反対の意味を持つ言葉が「アウトボクサー」。
「アウトボクシング」という言葉も明確な定義はないんだけど、
相手のパンチが届かない距離で攻撃の機会をうかがい、チャンス時に攻撃に転じる戦法
こんなニュアンスで使われるんだ。
アウトボクシングを詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてね
ちなみに、「インファイター」や「アウトボクシング」はそれぞれ次のように略される場合もある。
- インファイター:ファイター
- アウトボクサー:ボクサー
インファイターの特長

インファイターの基本的な戦い方は、
- とにかく前に出続ける
- 相手と接近する(密着する)
- ショートパンチで攻撃する
こんなかんじ。
なので、インファイターは一般的には次の特長があるんだ。
- ショートパンチが得意
- ディフェンス技術が高い
- 連打が得意
- 筋肉が発達してる
- アウトボクサーと比較して小柄
- 「殴り合い」の試合展開になりがち
- 「クラウチングスタイル」が基本の構え
それぞれ解説していくよ
特長①:ショートパンチが得意
インファイトは相手と近い距離で戦う戦法。
だから、インファイターはショートレンジ(短い距離)のパンチが得意な傾向にあるんだ。
実際、インファイターがKOを決めるパンチとしては、
- ボディブロー
- フック
- アッパー
このあたりの「肘が曲がったパンチ」になることが多いんだ。
幕の内一歩の必殺技「デンプシーロール」も左右のフックの組み合わせだよね
特長②:ディフェンス技術が高い
インファイトスタイルで戦う場合、とにかく相手に近づくいて、常に相手のパンチが届く位置にいることになるので、
インファイト=常にパンチを受けるリスクがある
こんなリスキーな戦法とも言えるんだ。
だからこそ、インファイターには高度なディフェンス技術を持った選手が多く、
- ダッキング
- ウィービング
- スウェー
- ブロッキング
- パーリング
などのディフェンスの技術を駆使して相手に近づいていくんだ。
ダッキングの練習法を知りたい人は次の記事を参考にしてね
特長③:連打が得意
特にアウトボクサーと対戦する場合、自分の得意レンジで戦える場面はそう多くない。
その反面、相手に接近できたときは大きなチャンスになる。
そして、そのチャンスにいかに多くのパンチを打てるかが試合を決定づけることになる。
だから、インファイターは普段から連打の練習をしている選手が多いんだ。
数少ないチャンスにどれだけパンチを打てるかがインファイターの勝敗を分ける
特長④:アウトボクサーと比較して小柄
インファイトを好む選手はアウトボクサーと比較すると背が低い選手が多い。
これは次のような理由があるからなんだ。
- 身長が低い選手の方がリーチが短いのでインファイトをしやすい
- 自分よりも背の高い(リーチの長い)選手とアウトボクシングで戦うのは不利
とは言っても、インファイターはみんな小柄ってわけでもない。
例えば、次のような選手は各階級では身長が高い方だしリーチも長い。
選手名 | 階級 | 身長(リーチ) |
---|---|---|
フリエ・セサール・チャベス・ジュニア | スーパーウェルター級 – ライトヘビー級 | 185cm(189㎝) |
ケリー・パブリク | ミドル級 | 189㎝(190㎝) |
ディエゴ・コラレス | ライト級 | 179㎝(178㎝) |
なので、「身長が高い≠インファイターになれない」という意味ではないので、その点はご注意を。
特長⑤:筋肉が発達してる
インファイターには筋骨隆々な選手が多いのも特長だよ。
最強のボクサーと呼び声高いマイク・タイソンが分かりやすい例かと(彼の場合はヘビー級だけど…
理由としては、
- 「背が低い=体重も軽い」なので、筋肉をつける(体重を増やす)余裕があるから
- インファイトは攻撃重視のスタイルだから、パンチ力をアップさせるため
こんなところかと。
そもそもパンチ力は次の公式で求めることができる。
パンチ力 = 1/2 × 体重 × パンチの速さ × パンチの速さ × 威力が残る割合
なので、ガンガン攻撃をするインファイターは筋力アップが必須とも言えるんだ。
特長⑥:「殴り合い」の試合展開になりがち
インファイトの基本戦略は「殴れる距離に近づくこと」。
だから、インファイターのボクシングは打ち合いになる事が多いんだ。
その結果、観客が熱くなる試合展開が多い
個人的にはボコボコに殴り合う試合展開は好きだけど、後遺症を考えると少しだけ心配になる。
特長⑦:「クラウチングスタイル」が基本の構え
インファイトでは、相手から距離をとる方向にステップを踏むことはあまりない。
だから、
- 前傾姿勢
- 足のスタンスを広めにとる
- 背中を丸めて前かがみ
こんなふうに、近づいて戦う戦法に適した構えをとってるんだ。
こういった構えを「クラウチングスタイル」って呼ぶよ
ちなみにクラウチングスタイルには次のようなメリットがあるんだ。
- 前に前進しやすくなる
- パンチの当たる面積を小さくできる
どんな対策にインファイターは弱いのか

ここまで解説したとおり、インファイターには次のような強みがある。
- ショートパンチが得意
- ディフェンス技術が高い
- 連打が得意
- 筋肉が発達してる
- アウトボクサーと比較して小柄
- 「殴り合い」の試合展開になりがち
- 「クラウチングスタイル」が基本の構え
これだけ見るとすごい強そうに見えるけど、インファイターにも弱点があるんだ。
それは、「ロングレンジでの戦いに弱い」ということ。
何度も言ってるように、インファイターはショートレンジに入り込むことによって真価を発揮する。
だからその反面、相手が距離をとり続けるようなボクサーだと、自分の土俵では戦うことができないんだ。
上手なアウトボクサーが相手だと、近づけない&コツコツと当てられて判定負けになったりも
次の記事でも解説してるけど、リーチの長い選手がボクシングでは有利なことは間違いない。
とはいえ、それは相手の懐に飛び込む技術を習得していないボクシング初心者のレベルでの話。
踏み込むコツさえ覚えてしまえば、スタイルは勝率に大きな影響を与えないよ。
インファイトを上達させるコツや練習法

インファイターとして成功するには次の要素が必要になってくる。
- 一発で相手にダメージを与えられるパンチ力
- 近距離でもダメージを受けないディフェンスの技術
- 連打や接近戦でもへばらないスタミナ
なので、これらを鍛える方法を解説するよ。
ここではザックリ解説するので、詳細は各記事を参考にしてね。
パンチ力をアップするトレーニング方法
先ほど解説したとおり、パンチ力は次の計算式でパンチ力を測ることができる。
パンチ力 = 1/2 × 体重 × パンチの速さ × パンチの速さ × 衝撃を逃がさない力
この公式から分かるとおり、パンチ力を決める要素は次の3つ。
- 体重
- パンチの速度
- 衝撃を逃がさない力
そして、こちらの記事で解説しているとおり、これら3要素はいずれも、筋トレで大幅に改善できるんだ。
パンチ力に影響を与える筋肉は、「筋肉の使い方・鍛え方パーフェクト事典」って本で解説されている。
この本は、
により執筆されており、そこらの筋トレ本とは信頼性が違う。
この本を参考に、筋肉を「パンチ」という運動に与える影響が大きい順番に並べると次のようになるんだ。
- 三角筋(肩の筋肉)
- 大胸筋(胸の筋肉)
- 僧帽筋(首の筋肉)
- 腹斜筋(脇腹の筋肉)
- 脊柱起立筋(背中の筋肉)

各部位の具体的な鍛え方は次の記事を参考にしてね
効率的なトレーニング方法
こちらの記事で解説してるとおり、基本的に筋トレを行うのであれば、
- ダンベル
- バーベル
などを使って、専用のジムでウエイトトレーニングを行うほうが効率的ではある。
ただ、自分の体重を負荷にする「自重トレーニング」でも筋力をアップできる方法はある。
自重トレーニングについて、詳しく知る上で参考になるのが、「プリズナートレーニング」という一冊。
この本に従ってトレーニングに励めば、最終的には片手腕立て伏せまでできるので、ぜひ参考にしてね
トレーニング後のプロテインも忘れずに
そして、腹筋を鍛える上で忘れてはいけないのが、タンパク質をしっかり摂ること。
というか、現代人の大半はタンパク質が足りなすぎる!
その中でもボクサーのタンパク質の不足はかなり深刻
- 「プロテインを飲むと太る」
- 「プロテインを飲むとマッチョになる」
- 「細マッチョになりたい人はプロテインは不要」
など、かなり見当違いな意見が未だに散見されるけど、それらは全て間違い。
とりあえず、筋肉を付けたいならプロテインを飲んでほしい。
プロテインの有用性や悪評への反論は全て次の記事で解説したので、ぜひ読んでみてね
そんな場合は、「ビーレジェンド」ってプロテインを選んでおけば、まず間違いはない。
僕が実際に飲んだ感想は次のとおり。
- 単純に「美味しい」
- 料金がかなりお手頃
- 値段に対してタンパク質が多く含まれてる
こんなかんじで割とオススメ。
ちなみに、
- 「プロテインを選ぶときの着眼点を知りたい」
- 「他にオススメのプロテインはないの?」
- 「ビーレジェンドを飲んだ感想をもっと聞きたい」
こんな人は次の記事で、詳しく解説してるので、ぜひ読んでみてね。
プロテイン選びに悩むボクサーには、日本で一番参考になる記事だと自負してる
ディフェンスを強化するトレーニング方法
「ディフェンス」という動きは、
- ガードを固めてパンチを受け止める
- 飛んできたパンチを避ける
この2つに分けられる。
①ガードを固める練習メニュー
「ガードを固める」という動きであれば、ガードを下げないことが特に初心者のうちは重要になってくる。
ガードが下がりがちなボクサーはパンチをもらいやすいからね
ガードを下げないための練習としては、
- 手首に重りを巻いて練習をする
- バーンマシンを使う
この2つが効果的。
詳しい練習方法は次の記事で解説してるので、参考にしてね。
②パンチを避けるための練習メニュー
一方、飛んできたパンチを避けることについて。
さっき解説したとおり、パンチを避けるには、パンチを打つ際に生まれる「予備動作」に反応する必要がある。
だからディフェンス力を向上には、この「パンチの予備動作を感知する能力」がもっとも重要なんだ。
でも残念ながら、この「予備動作を察知する力」は、
- ミット打ち
- マスボクシング
- パンチングボール
こういった練習では身につかない。
予備動作を察知する力は、経験に基づく「直感」に依存する部分も大きいので、実践を積むことが一番の練習なんだ。
確かに、パンチを避ける感覚を養うには、スパーリングなどの実践経験が重要になる。
でも、どれだけ実践練習を重ねても、
- ブロッキング
- ダッキング
- フットワーク
これらの「ディフェンスの動き」が無意識にできなければ、上達するのは難しいんだ。
動きが身体に染み込んでないと、飛んでくるパンチにどう対応していいか混乱するからね
だからまずは、飛んでくるパンチに無意識に反応できるよう、一人でしっかり練習しておく必要がある。
一人で行うディフェンスの練習法としては、
- シャドーボクシング
- サンドバック
- ミット打ち
これらのメニューに、パンチを避ける動きを混ぜるのが一般的。
でも、「実際に何かが飛んでくる状況」で練習した方が効果的なのは言うまでもない。
そこでオススメしたいのが、ボクシングボールを付けた状態でのシャドーボクシング。
↑これがボクシングボールね
ボクシングボールはスパーリングなどと違い、飛んでくるタイミングは分かるけど、
- 飛んでくる物体に目をつぶらないようになる
- 「飛んでくる物体を避ける」という動きの練習ができる
などの効果が期待できるので、練習を続ければ、間違いなくディフェンス力は向上する。
また、世界チャンピオンになった長谷川穂積さんも、ボクシングボールを使って日常的に練習をしている。
世界チャンピオンもやってる練習なので、効果は期待できるかと
高額な商品ではないので、ディフェンスが上手くなりたい人はぜひ試してみてね。
スタミナをつけるトレーニング方法
初心者ボクサーにとってはスタミナは最重要テーマになる。
- スタミナがあれば速く上達できるから
- 初試合ではスタミナがあれば勝てるから
パンチの連打はスタミナアップに効果的だけど、「成長を数値化できない」という点から大半の人は成長を実感できない。
そのため、現実的には効果が出づらいと思ってる
なので、ボクサーがスタミナアップを目指したいのであれば、
- インターバル走
- バーンマシン
これらのトレーニングが有効なんだ。
スタミナアップに関しては次の記事を参考にしてね
インファイターの戦い方とインファイトのコツを解説したよ

今回はインファイトの特長や上達するためのコツについて解説したよ。
もしインファイトを上達させたいなら、次のスキルを育てる必要がある。
- 近距離でもダメージを受けないディフェンスの技術
- 一発で相手にダメージを与えられるパンチ力
- 連打や接近戦でもへばらないスタミナ
ぜひ僕のブログを参考にして、インファイトを練習してみてね。
この記事を最後まで読んでくれてありがとう。
こんなかんじで僕のブログでは、
など、ボクシングに関する様々な情報を発信してるので、よければ覗いてみてね。
この記事があなたの参考になれば幸いです。
それでは!