こんな悩みを持つボクサーに向けて、
- パワーやスタミナを低下は最小限
- 過度なストレスをかけない
- 身体への負担も少ない
こんな減量法を解説するよ。
ちなみに、僕はこの記事で紹介する方法で2か月で5㎏の減量に成功した。
しかも、パワーやスタミナの減少はほとんど感じていない
ぜひ今後のボクサー人生で参考にしてね。
目次
減量における重要なポイント
減量の具体的な方法を解説する前に、まずは減量を成功させる上で重要なポイントを解説するよ。
- 減量で一番大事なのは食事
- 食欲をコントロールする
- 睡眠の質を改善する
①減量で一番大事なのは食事
減量する際に知っておきたい事が一つあって、それが、
「人は運動だけでは痩せられない」
ということ。
これはテキサス大学の研究が有名なので紹介するよ。
- 対象:1,000人の肥満ぎみな男女
- 内容:週2回の筋トレとインターバルトレーニングを週6時間
- 期間:約3カ月
- その他:食事制限は行わない
こんな運動をしたら、身体にどんな変化が生じるかを研究したんだ。
内容や期間を見ると、痩せるには十分そうだよね
でも、結果は非常に残念なものだった。
900gの筋肉はついたけど、体脂肪はたった450gしか減らなかったんだ。
こんなふうに運動量だけを増やしても、食事改善をしない限り、減量は成功しないんだ。
ただ、運動は食欲を抑えてくれるし、消費カロリーも増えるので、減量に不要というわけではないよ
②食欲をコントロールする
人は食事の量が減れば自然と痩せていく。
ただ、食欲は人間の根源的な欲求の一つなので、意志力だけでコントロールするのはかなりキツイ。
そこで食事制限のコツを学んで実践する必要があるんだ。
具体的には、
- 16時間の断食
- プロテインを摂る
- HIITと呼ばれる運動
これら3つ。
詳しくはあとで解説するので、ここでは、
食欲のコントロールにはコツがいる
と理解してもらえれば大丈夫かと。
③睡眠の質を改善する
そして、意外かもしれないけど、減量には質の良い睡眠が効果的。
実際、2004年に行われた研究では、500人の男女を対象に13年間調査をしたところ、
- 1日の睡眠が7時間未満
- 1日の睡眠が8時間以上
両者の間では、7時間未満の方が8倍も肥満になりやすかったって結果があるんだ。
睡眠不足が積み重なると、
- 脳が誘惑に弱くなる
- ホルモンバランスが崩れる
- 運動する量が減る
などの理由から減量がうまくいかなくなりがち。
なので、ボクサーは普段から睡眠の質をしっかり意識する必要があるんだ。
睡眠の質が低いと、減量が失敗する原因になるんだ
減量に効果的な食事法
減量の重要なポイントを解説したので、具体的なやり方を解説するよ。
まずは減量で最も重要な「食事」について。
基本的には、食べる量を減らすほど体重は減っていく。
ただ、むやみに食事を制限すると、
- 食欲の暴走
- ストレスの爆発
- パワーやスタミナの低下
などの問題に発展する。
そこで、食事で意識したいのが、
- 16時間断食
- プロテインの摂取
この2点なんだ。
①16時間断食
16時間断食というのは、
1日のうち16時間は何も食べない
というプチ断食。
残りの8時間は普通に食事をしてOKだよ
実際、2015にインドネシア大学からは、
16時間断食を行った参加者はカロリー制限をしなかったにも関わらず、1カ月でも500gも体重が減った。
と報告されており、食べ方を変えるだけで体重減少の効果が期待できるんだ。
また、16時間断食では食欲を減らす効果も期待できるんだ。
2015年9月にプチ断食に関する40件の論文をまとめた系統的レビューが出たんだけど、
- 16時間断食のダイエット効果は、カロリー制限とほぼ同じ(体重・ウエストサイズ・体脂肪が同程度に減った)
- 16時間断食は食欲を減らす効果が確認された
といった事が報告されたんだ。
こんな風に、ボクサーならば16時間断食は絶対に取り入れるべき習慣だよ。
それがそうでもない。
というのも、この16時間には寝ている時間も含まれるので、
- 20時以降は食事をしない
- 朝食を食べない
- 昼食は12時に食べる
たったこの3つを守るだけで、16時間断食は成立するんだ。
朝食を抜く&20時までに夕食を済ませるだけなので、想像以上に簡単だよ
筋力が減る心配も少ないので、試合前に限らず、日常的に取り組んでほしい。
②プロテインを摂る
そして、16時間断食と併せて絶対に取り組みたいのが、プロテインを毎日飲むこと。
これも減量期間に限らず日常的に取り組んでほしい。
ボクサーならプロテインはマジで必須だよ
というのも、プロテインには、
- 食欲が抑えられる
- 練習が成果に結びつく
って、大きなメリットがあるんだ。
メリット①:食欲が抑えられる
タンパク質が食欲を抑えることについては非常に多くの研究があって、
- 過去の38件のデータを調べた結果、タンパク質の摂取量が増えるほど総摂取カロリーは減る傾向が見られた
- 22名の参加者にタンパク質の比率を増やした食事をしてもったところ、食欲の減少がみられた
- 79名の男女にタンパク質の比率を変えた食事をとってもらったら、高タンパク食のほうが自然に総摂取カロリーが減った
などが有名なところ。
それにこれは実際に試すと実感できる。
- ゆで卵3個
- 茶碗1杯のごはん
これらはカロリーは同じだけど、ゆで卵の方が圧倒的にタンパク質が多い。
そのため、ゆで卵の方がずっと満腹感を感じられるんだ。
僕は朝食を食べず、昼食もゆで卵を4個だけ。それでも空腹に悩むことはないよ
メリット②:練習が成果に結びつく
もちろん、肉や魚から十分にタンパク質を摂れば、それで問題ない。
ただ知っておきたいのが、
大半の現代人は深刻なタンパク質不足
という事実。
厚労省の「日本人の食事摂取基準」によると、成人男性は1日60gのタンパク質が推奨されている。
一方、タンパク質が多い食材と含有量は次のとおり。
- 牛乳:3.3g
- 木綿豆腐:6.6g
- 牛肉(サーロイン):11.7g
牛肉なら必要な量は500g弱なのでクリアできそうだけど、実際の量はこんなかんじ↓
しかも、これは普通の成人男性が推奨されている量。
「アスリートは一般人の2倍はタンパク質を摂るべき」と言われてる
しかもボクサーは減量の観点から、食事の量自体を減らす必要があるので、タンパク質はさらに不足する。
つまり、
- ただでさえ現代人はタンパク質が足りない
- 特にボクサーのタンパク質不足は深刻
こんな事が言えるんだ。
人間の身体は、
- 筋肉
- 髪
- 肌
- 臓器
など、大半はタンパク質で出来てるので、タンパク質不足は様々な不調の原因になる。
そのなかでも、ボクサーに致命的なのが、
「筋肉量が減少する」
という事態。
毎日の練習で筋肉は少しずつ傷つく。
でも、その傷を修復する材料であるタンパク質がないと、次の練習までに回復が追い付かない。
その結果、練習をすればするほど筋肉量が減ってしまい、最悪の場合、
と、練習すればするほど、パフォーマンスが低下する事態に陥る。
しかも、も減るから、運動しても痩せにくい&リバウンドしやすい身体になってしまう…
そんな事態を避けるためにも、ボクサーなら絶対にプロテインを摂るべきなんだ。
そんな場合は、「ビーレジェンド」ってプロテインを選んでおけば、まず間違いはない。
僕が実際に飲んだ感想は次のとおり。
- 単純に「美味しい」
- 料金がかなりお手頃
- 値段に対してタンパク質が多く含まれてる
こんなかんじで割とオススメ。
ちなみに、
- 「プロテインを選ぶときの着眼点を知りたい」
- 「他にオススメのプロテインはないの?」
- 「ビーレジェンドを飲んだ感想をもっと聞きたい」
こんな人は次の記事で、詳しく解説してるので、ぜひ読んでみてね。
プロテイン選びに悩むボクサーには、日本で一番参考になる記事だと自負してる
ボクシングの練習以外で減量中にすべき運動
さて、次はボクシングの練習以外で取り入れたい運動について解説するよ。
減量するボクサーが取り入れたいのが、
- NEAT
- HIIT
これら二つの運動だよ。
NEATとは
NEATとは「Non-Exercise-Activity-Thermogenesis(非運動性活動熱産生)」の略語だよ。
要するに「会社への通勤」みたいな「運動」とは呼べないレベルの運動だよ
実はこのNEATを増やすことが減量には効果的なんだ。
実際、2015年にマドリード工科大学では、96人の太りぎみな男女を対象に、
- グループ①:週3で筋トレと有酸素運動を1時間ずつ行う
- グループ②:エレベーターの代わりに階段を使うなど、日常でこまめに身体を動かす
これら2つのグループに分けて22週間後の状態を観察したんだ。
そしてその結果は、
- すべての参加者は9~10㎏の減量に成功した
- 全員の筋力は同じレベルで発達していた
という驚くべきものだった。
こまめに身体を動かせば、週3のハードな運動と同じ効果が得られたってスゴイよね
練習量やランニングの距離を増やすと、オーバーワークや怪我のリスクがあるけど、
- エレベーターではなく階段を使う
- 電車は隣の駅で降りて一駅分歩く
など、日常でこまめに身体を動かすだけなら、無理なくできる。
それに減量は2~3ヶ月の長期戦になるので、無理をすると挫折する可能性もある。
だからこそ、NEATを取り入れて、無理なく消費カロリーが増やすことが有効なんだ。
残念ながら、NEATを増やす量の科学的な目安は見つけられなかった。
ただ、僕が2ヶ月で5㎏減量した際は、
「1日15,000歩以上歩く」
というマイルールを設定していたので、これを一つの基準にしてほしい。
HIITについて
そしてNEATとあわせて取り入れたいのが、「HIIT」と呼ばれる運動。
HIITとは「ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング(高強度休憩訓練)」の略で、
- 高強度な運動
- 休憩
これらを繰り返す運動だよ。
最近、色んなところで取り上げられるHEATだけど、科学的には最強の運動習慣で、
- 10分のHIITを週3で実践したところ、基礎代謝が平均で143kcalもアップした
- HIITを行った人は何も運動をしなかった人と比較して58%も食欲が減った
などの話があるように、ボクサーには必須の運動といえるんだ。
ボクサーの減量におすすめなHIIT
HIITには、強度や時間など色んなバリエーションがある。
そんな中、ボクサーにオススメなのが、ノルウェー式と呼ばれる最強のHIIT。
具体的なやり方は次のとおり。
- 4分間、全力ダッシュをする
- 3分間、休憩をする
- ①と②を4セット繰り返す
規模感としては、1㎞全力ダッシュを4セットかな
HIITを実践する際の注意点
HIITを効果を100%にするために必要なのが、「運動強度をマックスにする」ということ。
具体的には、4分間の各メニューで、
最大パワーの80~90%
を発揮する必要があるんだ。
ただここで、
「よし、全力を出し切るぞ!」
なんて意気込んだとこで、限界を出し切ることはほぼ不可能。
人間は自分にあまい生き物だから、どうしても無意識に限界の手前でブレーキをかけてしまうんだ。
メニューを始めた当初と1ヶ月後では、「出し切った感」が違ってる経験ってない?
だから、運動強度は絶対的な指標で確認する必要があるんだ。
そこで参考になるのが、心拍数。
具体的には、ダッシュした後の心拍数が、
「最大心拍数(220-年齢)×運動強度(80%~90%)」
になっている必要がある。
20歳なら、(220-20)×80~90%なので、心拍数160~180だね
こんなふうに、心拍数という絶対値で、運動強度を毎回確認することが大事なんだ。
心拍数の計測に役立つアイテム
もっとも簡単な方法としては、
- 自分の胸に手をあてる
- 1分間、心拍の数を数える
こんな方法もある。
ただ、実際にやれば分かるけど、
- 1㎞全力で走る
- 1分間じっとして自分の心拍に集中し続ける
- そこからまた全力で走る
これを練習のたびにやるのは、正直ダルい。
なので、安くていいので、スマートウォッチなどを使って心拍数を自動で記録してしまうのが賢明かと思う。
個人的にはFitBitがかなりオススメ。
ちなみに僕が使っているのは「Fitbit Versa 3」
都内の電車で広告がバンバン出てるので、知ってる人も多いかと思うけど、Fitbitはスポーツに特化したスマートウォッチ。
2021年にGoogleがFitbitを企業買収をして、FitBitはGoogleのお墨付きなので、信用性は十分。
値段もApple Watchと比較してリーズナブル。
Fitbit | Apple Watch | |
---|---|---|
金額 | 8,600円~ | 22,800円~ |
さらにいうと、歩数もカウントしてくれるので、NEATの達成状況も一目で確認できる。
そして、FitBitではこんなふうに睡眠の質も確認できる↓
運動や睡眠をあらゆる面でサポートしてくれるので、減量したいボクサーは試す価値があるかと。
実際、僕はFitbitを買ってから、
- 1日の歩数
- 運動中の心拍数
- 睡眠の質
これらを自然と意識するようになって、2ヶ月で5㎏も減量できたんだ。
1日に何度も腕時計を見るんだから、そりゃ脳に刷り込まれるよね
なにかにお金を使うと、脳に印象が強く残って、モチベーションも高まるもの。
本気で減量したい人は、検討してみてね。
睡眠の質を改善する方法
睡眠の質を高めると、食事制限のストレスに強くなることは先ほども解説したとおり。
睡眠の質を高める方法としては、
- スマホのブルーライトカット
- 寝る1時間半前に熱いお風呂に入る
このあたりがすぐに実践できるかと思う。
スマホのブルーライトカット
今すぐに実践したいのが、ブルーライトをコントロールすること。
近年の研究では、夜にブルーライトを浴びると、睡眠の質を下げる原因のひとつだと言われているんだ。
ブルーライトとは、テレビやスマホなどの電子機器から出る青くて強い光のこと。
だから、夜間に浴びるブルーライトを制限することで、睡眠の質が改善されることが期待できるんだ。
現在のiPhoneにはブルーライトの量を減らす機能が標準装備されているんだ。
「設定」→「画面表示と明るさ」→「Night Shift」を選択する。
そこで「時間指定」で開始時間を20時あたりに設定する。
そのさいに「色温度」は「暖かく」を最大にすれば完了だよ。
寝る1時間半前に熱いお風呂に入る
まず、知ってほしいのが、「体温」には2種類あるということ。
- 深部体温 …体の内部の温度。変動しづらい
- 皮膚温度 …手や足の温度。日中の活動時は「深部体温」より2℃ほど高い
そして、人には、深部体温と皮膚温度の温度差が縮まると眠くなるという性質があるんだ。
例えば、ウトウトする子どもを想像してほしい。
彼らの手足は温かくなっていることが想像できるかと思う。
これは、深部体温の熱が手足から放散されているために起きる現象なんだ。
そのための最も有効な方法が「熱いお風呂に入ること」なんだ。
人間には体温を一定に保とうとする機能(ホメオスタシス)が備わっているのは知っているかと思う。
そして、熱いお風呂に入浴すると、この機能をうまく利用して、スムーズに睡眠につなげることができるんだ。
- お風呂で深部体温をガッと上げる
- ホメオスタシスが機能して深部体温が元に戻ろうとする
- その際に、元の体温以上に深部体温が下がる
- 結果として、深部体温と皮膚温度の温度差が縮まって睡眠につながる
具体的には、40℃のお風呂に15分ほど浸かればOK。
その結果、深部体温は0.5℃上昇して、約90分ほどで元の温度まで戻って、そこから眠気がやってくる。
つまり、
- タイミング:寝る90分前
- お湯の温度:40℃以上
- 入浴の時間:15分以上
こんなかたちで入浴すれば、質の高い睡眠を得られるんだ。
減量をはじめよう
今回紹介した方法は、「食事・運動・睡眠を改善する」という、ごく当たり前の内容になってしまった。
とは言え、この記事で紹介した内容を全て実践している人は、まずいない。
騙されたと思っていいから、まずは試してほしい。
減量って実はそこまで大変じゃないと感じてもらえるはずだよ
- 16時間断食
- プロテインを飲む
- NEATやHIITを実践する
- 睡眠の質を改善する
全てを実践したら、間違いなく自分の体重に変化が現れる。
- 「●●が食べたい…」というストレスから解放されて
- パワーやスタミナの低下に悩ませることもなく
- 身体にも無理なく減量できる
今回紹介したのは、そんな減量法なので、ぜひ実践してほしい。
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