こんな悩みを持つボクサーに向けて、この記事では、
- 緊張をする原因について
- 試合当日に使えるメンタル安定法
- メンタルを鍛えるトレーニング
について解説するよ。
僕のボクシング歴は3年以上。根拠も示しつつ解説するので参考になるかと
目次
そもそも緊張とは何か?
まず知っておいてほしいのが、
「緊張=自分に注意が向きすぎている状態」
ということ。
このことを理解するために、人間に備わっている「自動操縦機能」について解説するよ。
人間の「自動操縦機能」
僕たち人間は多くの運動を無意識に行っている。
たとえば試合中のボクサーを想像してほしい。
目の前にいる相手にパンチを打ち込むときに、
- 下半身を回転させて、
- その回転を上半身に繋げて、
- 更に徐々に肘を伸ばしていって、
- その勢いを活かして相手に腕を伸ばしていって、
- 相手に拳が当たったら素早く引く
こんな細かに動作について考える試合中のボクサーはいない。
こんな一つ一つの動きを考えるのではなく、
「ストレートを打とう!」
って考えるだけでこれらの動きができてしまう。
こんなふうに、一つ一つの動作は意識しなくても動ける「自動操縦機能」が人間には備わってるんだ。
すごいアスリートほど、この「自動操縦機能」をうまく使ってプレーしてるよ
「自動操縦機能の不全」=「緊張」
この「自動操縦機能」をうまく使いこなすことが、スポーツでは非常に重要になる。
でも、この機能がうまく働かなくなる場合があるんだ。
それが、自分に注意を向け過ぎたとき。
このことを理解するには、2001年にシカゴ大学が行った研究が参考になる。
この実験では、ゴルファーを2つのグループに分けた上で、それぞれのグループに次の負荷をかけたんだ。
- グループ①:プレ-中、ずっと暗算をさせる
- グループ②:プレー中、ずっと自分のフォームを録画される&別のプロに批評される
やはり一定の負荷がかかっているので、いずれのグループもパフォーマンスは低下した。
それでも、グループ②の方が大きくスコアを落とす結果になったんだ。
見られてるって意識から自分の動きを過度に意識したことが原因と言われてるよ
この実験からも分かるように、人は自分自身に過度に目を向けると、「自動操縦機能」がうまく機能しなくなる。
そして、「自動操縦機能がうまく機能しなくなった状態」を「緊張」というんだ。
試合直前にできるメンタルを落ち着ける方法
緊張しなくする上で大事なのは、不安が入り込む余地を減らすこと。
- 周囲の目
- 自分の動き
などに対して過度に意識を向けず、目の前のプレーだけに集中すべきなんだ。
頭に変なものが入る余白を消して、汚染されないようにするイメージだよ
そのために効果的な方法として、シカゴ大学の研究チームが発表したのが次の2つ。
- 旅思考
- 鼻歌を歌う
メンタル対策①:旅思考
緊張しがちな人にまず試してほしいのが、「旅思考」という思考法。
これは「結果じゃなくてプロセスに目を向ける」という思考法だよ。
勝ち負けにこだわるとどうしても、身体が力んでしまうもの。
そこを「目の前のプレーにだけ集中しよう」と考えることで、過度に自分へ注意が向かなくなるんだ。
ただ個人的には、すぐに実践はできるけどあまり効果は感じられなかった…
メンタル対策②:鼻歌を歌う
そこで試合直前にぜひ試してほしいのが、
「鼻歌を歌う」
という方法。
先ほども言ったとおり、緊張を克服には頭をムダに余らせないことが効果的。
そして、そのためには好きな歌を口ずさむというのはとても効果的なんだ。
人がいて声を出せなければ、頭の中で歌ってもOKだよ
ちなみに、「頭のキャパの余剰分を潰す」って部分がミソなので、
- 楽しかった記憶を思い出す
- お気に入りのフレーズを唱える
なんて方法でも同じ効果が期待できるよ。
こうやって「余計なことを考えない」って方法はかなり有効な手段。
実際、プロゴルファーはショット直前までキャディーと雑談をする方がよい成績が出やすいって研究もあるんだ。
個人的にはかなりオススメなので、ぜひ試してみてね
ボクサーにオススメのメンタルトレーニング
今紹介した2つの方法は、試合当日に緊張を和らげる方法。
でも、常日頃からできるメンタルトレーニングも存在する。
先ほどと同じくシカゴ大学の研究チームが発表している効果的なメンタルトーニングは次の2つ。
- プレッシャートレーニング
- 瞑想
メンタルトレーニング①:プレッシャートレーニング
先ほども言ったとおり、
- 人に見られる
- 撮影されている
というのは、人間の「自動操縦機能」にかなり影響を与え、緊張しやすくなる。
そこで、練習時からそんなプレッシャーを与えることで、緊張状態になれていくんだ。
やり方は非常に簡単で、
「スパーリングの様子をスマホで撮影する」
というもの。
実際、2005年にメルボルン大学が発表した論文で効果が証明されている。
この実験では、72人のピアノ初心者を2つのグループに分けて練習をさせた。
- グループ①:普通に練習する
- グループ②:練習風景をビデオで撮影する
その後、観客の前でピアノを演奏させた結果、②の方が上手に演奏することができたんだ。
ちなみに、2009年にカリフォルニア大学がバスケを対象に同様の調査を行ったけど、そこでも同じような結果が出てる。
- 「見られてる」
- 「あとで見られるかもしれない」
こんな感覚は本番を連想させる。
だから、本番にも慣れて、緊張しなくなるのかもしれない。
「必ずYouTubeにアップする」って自分ルールを設定したら更に負荷は上がるかも
メンタルトレーニング②:瞑想
こんな人にオススメしたいのが、「瞑想(めいそう)」だよ。
瞑想ってスピリチュアルなイメージあるけど、科学的に色々な効果が実証されてるんだ。
- ストレスや不安の改善
- 日常の幸福感の改善
- 記憶力の向上
- 睡眠の質の向上
- …
瞑想を通じて、心が安定した男性はモテるなんて話もあったりする
これだけメリットがある瞑想だけど、一番簡単なものであれば1日3分でできる。
- あぐらを組む
- 目をつぶる
- 呼吸に集中する
- ③を3分間続ける
瞑想は、ボクシングでのメンタル改善以外にも様々な効果をもたらしてくれる。
1日3分からできる最高のメンタルトレーニングなので、メンタルの弱さに関係なく、ぜひ取り入れてみてね。
瞑想について詳しく知りたい人は次の本を参考にしてね
参考:ルーティンの設定
普段の練習でルーティンを設定しておくと、緊張を緩和する効果が期待できる。
他のことに目を向けることで「自分の動き」に対する過度な集中が解消されるんだ
実際、プロサッカーのPKが成功率を調べた研究によると、
- 1秒以内に蹴る選手の成功率:58%
- 一呼吸おいてから蹴る選手の成功率:80%
こんな結果が出ており、ルーティンを行った結果ではないかと言われている。
なので、緊張しやすい人は、日常の練習の中にルーティンを取り入れてみてね。
参考:ネガティブ思考に効く一冊
最後に、この記事を読んでるあなたにオススメの一冊を紹介するよ。
「自分はプレッシャーに弱い…」って考える人は、ネガティブ思考が多い。
そしてネガティブ思考の人はだいたい自分のことが嫌い
そんな人に読んでほしいのが、「マンガで分かる心療内科(ネガティブ思考とポジティブ思考編)」という一冊。
この本は、現役の心療内科医が、ネガティブ思考について解説をしたマンガ。
この本を読むことで、
- ネガティブな自分を好きになれる
- 正しいネガティブの取り扱い方が分かる
- 無理にポジティブになろうと思わなくなる
など、考え方にかなり変化があるはずなので、自己嫌悪に陥りがちな人にはぜひ読んでほしい。
僕も基本はネガティブ思考だけど、この本のおかげで自分が好きになれたよ
本の概要は次の記事で解説してるので、買う前にぜひチェックしてみてね。
ボクサーに向けてメンタルトレーニング法を解説したよ
今回の内容をまとめるよ。
まず知っておいてほしいのが、
「緊張=自分に注意が向きすぎている状態」
ってこと。
そして、試合当日の緊張を和らげるには次の2つが効果的。
- 旅思考
- 鼻歌を歌う
とはいっても、これらは試合当日に行う対策にすぎない。
しっかりとメンタルトレーニングを行うには、次の2つが効果的なんだ。
- プレッシャートレーニング
- 瞑想
特に瞑想に関しては次の本がかなりオススメ
こんなかんじかな!
この記事を最後まで読んでくれてありがとう。
こんなかんじで僕のブログでは、
など、ボクシングに関する様々な情報を発信してるので、よければ覗いてみてね。
この記事があなたの参考になれば幸いです。
それでは!