「自分のグローブを買おう」と思って通販サイトを開いたら、8オンス・10オンス・12オンス・14オンス・16オンスがずらっと並んでいて、手が止まった。

調べてみたら、「初心者は14オンス」という記事もあれば「10オンスでいい」という人もいて、余計に分からなくなった。

ボクシングを始めたばかりだと、こうなるよね。

ジムのトレーナーに聞けば一発なんだけど、入ったばかりで「何オンスを買えばいいですか?」って聞くのは、ちょっと気が引けたりもする。

僕は大学4年からボクシングを始めて、週5のジムワークを2年続けた元ボクサー。お世話になったジムは4か所で、対外試合にも出たよ。

そんな僕の結論を、最初に書いておくね。

  • 最初の1つはパンチンググローブで十分
  • ボクシンググローブ(オンスグローブ)を買うなら8オンスか10オンス
  • スパーリング用の12オンス以上は、ジムで借りられるから買わなくていい

迷ったら、まずはパンチンググローブを1つ買えばOK。

初心者にすすめるなら、老舗メーカーのマーシャルワールドのもの。4,000円前後で買えるので、最初の1つにちょうどいいよ。

今回は、ボクシンググローブのオンスの選び方を、用途ごとにまとめていくよ。

「どっちを買えば失敗しないか」が分かるはずなので、買う前の5分だけ付き合ってね。

【早見表】ボクシンググローブは初心者なら何オンス?用途別の答え

大きさの違うボクシンググローブを並べた様子

まずは、いちばん知りたい答えから。

練習の内容ごとに、何オンスを使えばいいかをまとめるとこうなる。

練習の内容使うグローブ自分で買う?
サンドバッグ・ミット打ちパンチンググローブ、またはオンスグローブの8〜10オンス買う
スパーリング・マスボクシング12オンス以上(14〜16オンスが多い)ジムで借りる
プロの試合8オンスか10オンス(階級で決まる)試合が決まってから考えればOK

つまり、初心者が自分で買うのは「サンドバッグとミット打ちで使うグローブ」だけ。

ここで大事なのは、

「何オンスを買うかより先に、スパー用まで自分で買わなくていいと知っておくこと」

なんだよね。

「大きいグローブの方が安全そうだから、16オンスを買っておこう」って考えると、ほぼ確実に損するよ。

理由はあとでくわしく書くけど、スパーリング用の大きいグローブは、僕がいたジムではどこも無料で貸してもらえたんだ。

それに、ジムによっては普段の練習用のグローブも貸してくれる。体験入会のときにグローブを貸してもらえたのを覚えている人も多いはず。

だから、これから体験に行く人は、まだ何も買わなくて大丈夫。

入会して、「自分のグローブがほしいな」と思ったタイミングで買えばいい。

タイプ別に、もう一言だけ足しておくね。

  • 趣味や運動不足の解消で続けたい人:パンチンググローブ
  • 1年以内にプロテストを受けたい人:オンスグローブの8オンスか10オンス
  • サンドバッグで拳が痛くて困っている人:まずはバンテージや拳のプロテクターを見直す(このあと説明するよ)

パンチンググローブとボクシンググローブ(オンスグローブ)の違い

親指が出るパンチンググローブとボクシンググローブの比較

早見表で「パンチンググローブ」と「オンスグローブ」という言葉が出てきたので、この2つの違いを説明しておくね。

実は、「ボクシングのグローブ」と一言で言っても、

  • オンスグローブ(いわゆるボクシンググローブ)
  • パンチンググローブ

の2種類に分けられるんだ。

オンスグローブ(いわゆるボクシンググローブ)

試合でも使われる、しっかりした作りのグローブ。

重さが「オンス」で表されていて、主に8・10・12・14・16オンスの5種類がある。

1オンスは約28g。だから、8オンスなら片手で約230g、16オンスなら約450gになる。

数字が大きいほど重くて、クッションも分厚くなるんだ。

パンチンググローブ

練習専用のグローブ。オンスグローブより作りが簡単で、全体的に薄い。

親指が外に出ているタイプもあって、着けたり外したりがラクなのが特長。

サイズはオンスではなく、S・M・Lで選ぶことが多い。目安だけど、身長175cm・体重70kgくらいの男性ならMでいいと思う。

ただし、薄い分、スパーリングや試合には使えない。あくまで、サンドバッグやミット打ちのためのグローブなんだ。

それから、グローブは想像以上に汗を吸う。

夏のジムはまさに蒸し風呂で、練習していると足元に汗の水たまりができるくらい。

そんな環境で週に何回も使うので、自分用を買ったら、使ったあとの手入れまでセットで考えておくと、ニオイに悩まずに済むよ。

2つの違いを表にするとこんなかんじ。

オンスグローブパンチンググローブ
使える練習すべて(スパー・試合も)サンドバッグ・ミット打ちだけ
作りしっかり・分厚い簡単・薄い
値段1万円前後のものが多い数千円から買える
着け外しふつうラク

ジムの練習生の8割はパンチンググローブ

で、実際のところ、ジムのみんなはどっちを使っているのか。

僕の感覚だと、

「8割くらいの練習生はパンチンググローブで練習してた」

というかんじ。

サンドバッグとミット打ちができれば十分だから、パンチンググローブで困ることはないんだよね。

8割がパンチンググローブということは、プロを目指していない人がパンチンググローブを選んでも、まったく少数派じゃないってこと。そこは安心していいよ。

しかも、パンチンググローブには練習で一番ありがたい「着け外しのラクさ」がある。

ジムの練習は、シャドー、サンドバッグ2〜3ラウンド、ミット2〜3ラウンド……と、1時間から1時間半のあいだにメニューがどんどん切り替わる。

そのたびにグローブを外して、水を飲んで、また着ける。ここがラクなのは、地味だけど大きいんだ。

「せっかくなら本格的なのがほしい」という気持ちも分かる。あえて高いオンスグローブを買って、自分を追い込むのもアリだと思う。

ただ、悩んでいるなら、

とりあえずパンチンググローブを買って、プロテストが見えてきたらオンスグローブを買い足す

この順番で、損をすることはないよ。

8オンスと10オンスの違いは?どっちを買えばいい?

ボクシンググローブでミット打ちをする様子

ここからは、「それでもオンスグローブがほしい」という人向けの話。

オンスグローブを買うなら、8オンスか10オンスがおすすめ。じゃあ、この2つは何が違うのか。

プロの試合では階級で使い分ける

プロボクシングの試合では、階級によってグローブの重さが決まってる。

  • スーパーライト級以下:8オンス
  • ウェルター級以上:10オンス

つまり、8オンスは軽い階級の試合用、10オンスは重い階級の試合用なんだ。

体重でいうと、スーパーライト級のリミットは63.5kg。ここを境目に分かれてるイメージだね。

練習で使うなら、体の大きさで選べばいい

練習用として買うなら、そこまで厳密に考えなくて大丈夫。

僕なら、次のように答えるかな。

  • 体重が60kg台前半までの人、女性、手が小さめの人:8オンス
  • それより大きい人、迷っている人:10オンス

もちろん、これはあくまで目安。最後は手を入れたときのしっくり感で決めて大丈夫だよ。

8オンスの方が軽くて小さいぶん、拳を速く振れるし、当たったときの感覚も手に伝わりやすい。

そのかわりクッションは薄くなるので、拳への負担は少し増える。サンドバッグを思いっきり叩くなら、10オンスの方が安心感はあるよ。

12オンス以上で練習すると、パンチの感覚が鈍る

ちなみに、サンドバッグやミット打ちで12オンス以上のグローブを使うのは、あまりおすすめできない。

グローブが大きくなると、パンチを打ったときの感覚が鈍くなるからなんだ。

プロの人が試合前に12オンスでミットを打っていることもあるんだけど、初心者のうちは真似しないでね。

感覚が鈍ったまま練習を重ねると、ナックルがしっかり当たっているかどうかも分かりにくい。

最初のうちは、軽めのグローブで「当たった」感覚を体に覚えさせる方が、上達の近道だと思う。

サンドバッグにパンチがきれいに入ると、野球で真芯を捉えたときみたいな手ごたえが返ってくるんだよね。

あの感覚は、グローブが大きすぎると分かりにくくなるよ。

12オンス以上のグローブは買わなくていい理由

スパーリング用の大きいグローブとヘッドギアでスパーをする2人

ここが、この記事でいちばん伝えたいところ。

ネットで調べると、

  • 「初心者は安全のために14オンスか16オンスを買おう」

という意見をよく見かける。

たしかに、スパーリングで使うのは14〜16オンスが多い。大きいグローブの方が、殴る側も殴られる側もダメージが少ないからね。

でも、初心者がそれを自分で買う必要はない。理由は2つあるよ。

理由①:スパー用のグローブはジムが貸してくれる

まず、スパーリング用の大きいグローブは、ジムが無料で貸してくれる。

僕がお世話になったジムでは、どこでもスパー用のグローブを無料で貸してくれた。

しかも、初心者はすぐにはスパーリングに呼ばれない。最初の数ヶ月は、シャドー・サンドバッグ・ミット打ちが中心になるはず。

つまり、14オンスや16オンスを先に買っても、出番がないまま家に置きっぱなしになる可能性が高いんだ。

理由②:大きいグローブで普段の練習をするとフォームが崩れる

「じゃあ、普段の練習を16オンスでやればいいのでは?」と思うかもしれない。

でもそれは、さっき書いたとおり、パンチの感覚が鈍くなるし、フォームも崩れやすい。

16オンスは片手で約450g。8オンスの倍の重さがある。

それを付けたまま何ラウンドもサンドバッグを叩くと、肩が先にバテて、腕だけで押すようなパンチになりがちなんだ。

例外:拳が痛くて困っている人

ひとつだけ例外がある。それは、サンドバッグを叩くと拳が痛くて、練習にならない人。

実は僕も、ボクシングを始めて3ヶ月くらいのころ、中指と人差し指の付け根が痛くなった。

濃いアザを押したときのような、鈍い痛み。3日休めば治るんだけど、練習を再開するとすぐに痛くなる。

そのせいで、シャドーと筋トレばかりの日が続いた時期もあった。

こういうときに14〜16オンスの分厚いグローブを使うと、たしかに痛みはやわらぐ。

ただ、僕の場合は、拳を守るプロテクターを足したら解決した。

僕が使ったのは「ゲルデガード」という拳のプロテクター。

これを使うようになってから、全力でパンチを打っても痛みが気にならなくなって、結局1年くらい愛用したよ。

グローブを買い替える前に、拳が痛い人はまずこっちを試してみてほしい。

最初のグローブ選びで失敗しないために(オンス以外のポイント)

バンテージを巻いた手でマジックテープ式グローブを締める手元

オンスが決まったら、あとは次の3つをチェックすれば、大きな失敗はしないはず。

  • 手首の固定はマジックテープかゴム
  • 名前の知られたメーカーを選ぶ
  • プロテクターを入れるならサイズに余裕を

ポイント①:手首の固定はマジックテープかゴム

グローブの手首の留め方には、紐・マジックテープ・ゴムの3種類がある。

このうち、紐タイプは初心者にはおすすめしない。紐は自分ひとりでは結べないので、毎回だれかに頼むことになるからね。

マジックテープかゴムなら、どちらを選んでも特に問題ないよ。

ポイント②:名前の知られたメーカーを選ぶ

グローブは、実際に何かを殴ってみるまで使い心地が分からない。どれだけ調べても、最後は「えいや!」で決めるしかないんだ。

だからこそ、有名なスポーツメーカーや老舗のボクシングメーカーを選ぶのが安全。

たくさんの人が使った実績があるし、ブランドの名前に傷がつくような変な商品は、そもそも売らないからね。

いくら安くても、聞いたことのないメーカーのグローブは「安かろう悪かろう」のリスクがあるよ。

ポイント③:プロテクターを入れるなら少し余裕を見る

これは、買ってから気づきやすいポイント。

さっき紹介したゲルデガードのような拳のプロテクターや、厚めのバンテージをグローブの中に入れると、グローブがキツくなる。

僕もゲルデガードを使っていたとき、グローブのキツさだけは気になってた。

なので、プロテクターも一緒に使う予定なら、パンチンググローブのサイズは少し余裕をもって選ぶといいよ。

グローブの下には、必ずバンテージかインナーグローブ

最後に、これだけは伝えておきたい。

「グローブを買ったら、素手のまま着けるのはやめよう」

ジムによっては、バンテージの代わりに軍手を配っているところもある。

僕も大学時代、軍手だけでサンドバッグを本気で叩いて、拳の皮がズルむけになったことがある。

お風呂に入るたびに痛くて、1週間くらいまともに練習できなかった。

バンテージは1本1,000円前後で買えるし、ジムのプロの中には300円くらいの安いバンテージを愛用している人もいた。

グローブと一緒に買っても、たいした出費にはならないよ。

巻くのが面倒なら、手にはめるだけの「かんたんバンテージ」もある。装着は10秒くらい。

最初は「初心者が調子に乗ってると思われないかな」と気になったけど、まったくの杞憂だったよ。

よくある質問

ボクササイズやフィットネス目的なら、何オンス?

フィットネス目的なら、パンチンググローブで十分。ジム側でグローブを用意してくれるところも多いので、まずは体験で確認してみてね。

グローブは店で試着してから買った方がいい?

グローブは、現物を見なくても通販で買って問題ないと思う。

ボクシング用品を店まで買いに行くと、売り切れの心配もあって半日つぶれることもある。

ネットなら30分もかからないし、店頭より安いことも多いので、AmazonなどのECサイトで買う方がおすすめだよ。

女性や手が小さい人は?

パンチンググローブならSサイズ、オンスグローブなら8オンスから考えるといいと思う。

まとめ

ジムのベンチに置かれた使い込んだボクシンググローブ

今回は、ボクシンググローブは初心者なら何オンスを買えばいいかを解説したよ。

ポイントをもう一度まとめるとこう。

  • 最初の1つはパンチンググローブで十分(ジムの練習生の8割はこれ)
  • オンスグローブを買うなら8オンスか10オンス(迷ったら10オンス)
  • スパー用の12オンス以上は、ジムで借りられるから買わなくていい
  • 拳が痛いなら、グローブを大きくする前に拳のプロテクターを試す

自分のグローブを持つと、ジムに行くのがちょっと楽しみになる。

サンドバッグを叩いたときの手ごたえも、借り物とはひと味ちがうはず。

まずは、手ごろなパンチンググローブから始めてみてね。自分のグローブを持ったら、手入れも忘れずにね。

プロテストも視野に入れているなら、オンスグローブの8オンスか10オンスを選ぼう。

ぜひ、自分にぴったりのグローブを見つけて、ボクシングをもっと楽しんでね。

それでは。