こんな仕事をいつまで続ければいいんだろう…
人生は限られてるんだし、転職しようかな…
こんな悩みを持つ公務員のあなたに、
- キャリア選択でやりがちな間違い
- 満足感のある仕事の要件
- つまらない仕事を楽しくするコツ
これら3つを解説するよ。
- 「好きを仕事にしようぜ!」
- 「若いうちはスキルアップできる会社で働くべき!」
- 「今の時代は〇〇業界が熱い!」
こういう話を聞いた後って、公務員の仕事がつまらなく感じるよね。
でも安心してほしい。
これらの意見には、「個人の経験や嗜好にしか基づいてない」という致命的な問題があるんだ。
極端に言えば、これらのアドバイスは全部ウソってこと
キャリア選択に関する研究って、実はかなり進んでいて、
- 幸せになれる仕事とはどんな仕事なのか?
- 正しい選択に必要なことは何か?
実はこういった疑問への科学的な回答って、既に出てるんだ。
そんな科学的に正しいキャリア選択について、著書「科学的な適職」を参考に解説するよ。
この記事を読めば、
ぜひ参考にしてね。
目次
「仕事がつまらないから転職する」は正しいか
まず知っておきたいのが、キャリア選択に関するウソについて。
キャリア選択でよく言われるのが、
- 好きを仕事にしよう
- 給料の多さで選ぼう
- 業界や職種で選ぼう
- 仕事の楽さで選ぼう
- 性格テストで選ぼう
- 直感で選ぼう
- 適正に合った仕事を選ぼう
こんなアドバイス。
一見すると、どれも説得力があると感じるけど、これらのアドバイスは科学的に見ると全て間違い。
むしろこの観点で仕事を選ぶと幸福感がダウンする恐れすら…
ここでは、上記7つのうち、公務員の仕事に満足感を感じないあなたに向けて、
- 好きを仕事にする
- 業界や職種で選ぶ
この二つに絞って解説するよ。
誤解①:好きを仕事にする
キャリアアドバイスで最もよく聞くのが、
「好きを仕事にしよう!」
というもの。
この考えはAppleの創業者スティーブ・ジョブズのスピーチで爆発的に広まった。
そう思う気持ちは分かるけど、実はこれは科学的には間違ったアドバイスなんだ。
そもそも、ジョブズ自身、IT業界に入ったのは「好きだから」ではなく、「楽に金を儲けられると思ったから」。
Appleの創業理由も「ビジネスの臭いをかぎ取ったから」らしい
むしろ、ITよりもスピリチュアルが好きだったジョブズは、IT系の会社を辞めてインドへ修行の旅に出てこともあったとか。
これは別にジョブズに限った話ではなくて、
- ゴッホ
- ココ・シャネル
- ナポレオン
これらの歴史上の偉人は元々、別の道を歩んでいたんだ。
つまり、すごい成功者のアドバイスでも間違ってる可能性はあるということ。
そんな不安定な助言に「公務員の立場を捨てる」って決断を任せてよいのだろうか?
確かに「好きを仕事に」というアドバイスはすごい魅力的に聞こえる。
でも、多くの職業研究によると、
好きなことを仕事にしようがしまいが、最終的な幸福感は変わらない
こんな結果が出てるんだ。
例えば、2015年にミシガン州立大学が、数百を超える職業を対象に行った実験では次のことが分かっている。
- 被験者の仕事感を2パターンに分類した
- パターン①:「好きを仕事にするのが幸せ」と考えるタイプ
- パターン②:「仕事は続けるうちに好きになる」と考えるタイプ
- その後、1~5年のスパンで見ると、②の方が幸福度が高かった
このことについて、研究チームによれば、
「好きを仕事にするのが幸せ」と考える人は、どんな仕事も好きになれない
と解説している。
どれだけ好きな仕事でも、現実には面倒だと思う場面は多いもの。
そんな中、「好きを仕事に」の意識が強いと、仕事に対する現実と理想のギャップを感じやすくなる。
そしてそのギャップが大きくなると、「今の仕事は本当に好きなのだろうか…?」という疑念が徐々に芽生えてくる。
その結果、仕事における幸福度やスキルの成熟率は低い数値になる傾向があるんだ!
また、「好きを仕事に」と同じくらい頻繁に聞くのが、
「情熱を持てる仕事を探しなさい」
というアドバイス。
実はこれも科学的なデータとは相容れない。
2014年にロイファナ大学が多数の起業家を対象に行った調査によると、
- 過去に注いだ努力量が多いほど、その仕事への情熱の量は多い
- 「自分の仕事は天職」だと考える大半の人は、最初は今の仕事を天職だと考えてなかった
こんなことが分かっている。
「なんとなく始めた仕事だけど、努力し続けてたら好きになった」ってことだね
実際、ジョージタウン大学のカル・ニューポートは、
天職に就けた人の大半は、事前に「人生の目的」を決めていない。
彼らが天職を得たのは、ほとんどが偶然の産物だ
と結論づけている。
つまり、今あなたが、
仕事の種類や内容は関係なく、どんな仕事でも適職になり得る可能性を秘めてるんだ!
誤解②:業界や職種で選ぶ
- 「なんとなく興味があるから」
- 「これからはITが伸びるから」
こんなふうに、業界や職種から仕事を選ぶのも、キャリア選択ではよく見かける。
でも、この考えも間違い。
業界や業種でキャリアを選ぶべきではない理由は、
- 専門家でも有望な業界は予測できない
- 人間は自分の個人的な興味の変化すら予測できない
この2つ。
まず「専門家でも有望な業界は予測できない」という点について。
- 「今後、公務員という仕事は不安定になる」
- 「これからはエンジニア業界が大きく成長する」
こういった情報はよく見かけると思う。
「公務員が安定の時代は終わり」って主張に焦ってる人もいるのでは?
でも実は、専門家の予想は基本的には当たらない。
それこそ、
- マッキンゼー
- オックスフォード
こんな名だたる機関の予想であっても、精度はコイントスと大して変わらないんだ。
「専門家の予想の精度」を調べた研究としては現時点で最も精度が高いものにペンシルベニア大学の研究チームが行った調査がある。
彼らは、1984年~2003年の間、248人の専門家を集めて、
- 経済
- 企業
- 政治
数年後のこれらの状況を予想させた。
ところが、最終的に集まった28,000超の予測データをまとめた結果、
専門家の予想はほぼ50%の確率でしか当たらない
ということが判明したんだ。
専門家ですら50%しか未来は予測できない…
このことについて、著者のフィリップ・テトロックは、
専門家の予想はチンパンジーのダーツ投げと同じ正確性しかない
なんて表現している。
つまり、それほどまでに未来の予測なんてものはあてにならないんだ。
次に「人間は自分の個人的な興味の変化すら予測できない」という点について。
これに関する有名な研究としては、ハーバード大学で行った大規模なリサーチがある。
研究チームは、18~68歳までの男女19,000人以上を集め、「好きな異性のタイプ」や「趣味」などを幅広く調べ上げた。
そしてその上で、被験者に対し、
「今後10年であなたの価値観や好みはどこまで変わると思うか?」
こんな質問を行った。
すると、「ほぼ全ての被験者が10年で自分に起きる変化を過小評価していた」という結果になったんだ。
これって身近なところでもあって、
- 結婚を切望したのに、離婚したいと考える
- 「この会社で働きたい!」と燃えてたのに、転職を考える
- 若い頃に掘ったタトゥーを成人後に消したくなる
こんな話はあとを絶たない。
要するに、人は業界の未来だけでなく、僕たちは自分自身の変化ですら正確に予測することができない。
そんな不安定な要素である「人間の予測」を参考にして、
- 「公務員は今後、不安定になるから…」
- 「今、ものすごくプログラミングに興味があるから…」
こんな理由でキャリア選択をすることは科学的に誤った判断だと言えるんだ。
公務員の仕事は本当に満足感を得られないのか
今、解説したポイント以外にも、
- 給料の多さで選ぼう
- 仕事の楽さで選ぼう
- 性格テストで選ぼう
- 直感で選ぼう
- 適正に合った仕事を選ぼう
これらが全て間違ってるのは先ほど解説したとおり。
ただ、こんなふうに言うと、
これに関して、本書では「仕事の幸福度を決める7つの徳目」を重要すべきとしている。
- 自由:その仕事に裁量権はあるか?
- 達成:前に進んでる感覚は得られるか?
- 焦点:自分のモチベーションタイプに合ってるか?
- 明確:成すべきことやビジョン、評価軸はハッキリしてるか?
- 多様:作業の内容にバリエーションはあるか?
- 仲間:組織内に助けてくれる友人はいるか?
- 貢献:どれだけ世の中の役に立つか?
これらの要素を満たさない仕事は、
- 子どもの頃かあら夢見てた職業
- 誰からも憧れる職業
こんな職業でも、最終的な幸福度は上がらない。
逆を言えば、これらの要素が揃ってれば、世間的には評価が低い仕事でも幸せに暮らすことができるんだ。
これら7つのうち、「公務員の仕事を続けるか」を考える上で参考になる、
- 焦点:自分のモチベーションタイプに合ってるか?
- 貢献:どれだけ世の中の役に立つか?
この2点について解説するよ。
仕事選びのポイント①:焦点
さっきチラッと触れたけど、基本的に「性格テスト」はあてにならない。
そんな中でも、適職を探す上で役立つ科学的な根拠がある唯一のテストが、「制御焦点」なんだ。
この「制御焦点」は、人間を次の2タイプに分類するという考え方。
- 攻撃型:競争に勝つのが好きで、金銭などの外的報酬に強い影響を受ける
- 防御型:自分の義理を果たすのが最終的なゴールで、安全な場所に身を置こうとする
こういったモチベーションタイプの有効性はコロンビア大学を始め、20を超える研究で裏づけされている。
例えば、2012年には105の先行研究を分析した結果、
「攻撃型」と「防御型」の区別を使えば、職場での満足度をある程度は予測できる
と報告がされている。
自分のモチベーションタイプを判断するには16個の質問で判断できる。
- どうすれば自分の目標や願望が叶うか、よく想像する
- 私は大抵、悪い出来事を避けることに意識を集中している
- 私は大抵、自分が達成したいことに意識を集中している
- どうすれば失敗を防げるか、よく考える
- 私は自分の理想を優先し、自分の希望や願い・大志を叶えようと努力するタイプだと思う
- 自分の責任や役割を果たせてるか、よく心配になる
- 悪い出来事が自分に降りかかる様子をよく想像する
- 私は大抵、人生において良い成果をあげることに意識を集中している
- 職場での私は、仕事で自分の理想を叶えることを目指している
- どうすれば良い成績がとれるか、よく考える
- 将来、どんな人間になりたいか、よく考える
- 目標の成績を取れないのではないか、よく心配になる
- 「こうなればいいな」と願うことが叶う様子を、よく想像する
- 職場での私は仕事での失敗を避けることを目指している
- 将来そうなったら嫌だと思う自分像を、よく考える
- 利益を得ることより、損失を避けることの方が大事だ
これらの質問を活用すると、自分のタイプが判断できるんだ。
詳しい判断方法はぜひ本書で確認してね!
焦点タイプが分かれば、自分の適職が見つけやすくなる。
具体的には、
- 攻撃型:進歩や成長を実感しやすい仕事
- 防御型:安心感と安定感を実感しやすい仕事
こんなかんじ。
あなたが防御型なら、公務員という仕事は特性に合ってるかもしれない。
一方、攻撃型の特性を有している場合、いわゆる「お役所仕事」はあまり向いてないかもしれない。
その場合、転職してもいいけど、公務員として働くなら、変がの激しい部署に異動すると、やりがいを見出せるかもしれない。
今の時代であれば、デジタル行政関係の部署とかはどうだろう?
ちなみに焦点タイプは生まれ持ったモチベーションの特性なので、後から変えられるかどうかは不明。
なので、持ち前の気性に逆らわず、自分にとって自然な仕事選びをすることが大事なんだ。
仕事選びのポイント②:貢献
「人のためになることをせよ」
こんなふうに言われたらキレイごとのように聞こえるかもしれない。
だけど、他者に貢献するで自分の幸福感が増すことは多くのデータが証明してるんだ。
2007年、シカゴ大学は様々な仕事に就く5万人を対象に、「高い満足感を得やすい職業とは何か?」を調査した。
その結果、「満足度の高い仕事」のトップ5は次のとおり。
- 聖職者
- 理学療法士
- 消防員
- 教育関係者
- 画家・彫刻家
一見すると、共通点が無いように見えるけど、これらは「他人に貢献する要素を持つ」という共通点があるんだ。
それは、他者へ親切すると、人間が幸福を感じる上で重要な、
- 自尊心
- 親密感
- 自立性
これらの欲求が満たされるからなんだ。
事実、脳科学の研究でも、社会に役立つ行為をした直後は、脳内にドーパミンがあふれ出すことが分かっている。
これを「ヘルパーズ・ハイ」と呼んでる学者もいるらしい
もちろん、違法な職業でなければ、他人のためにならない仕事は存在しない。
ただ、大事なのは「他人の役に立った事実を可視化しやすいか」ということなので、そういった意味では、
- 市民の方と触れ合える
- 事業者と直接やりとりできる
こんな仕事ができる公務員は、実は幸福感を得やすい仕事だと言えるんだ。
今の仕事が自分に適してるか判断する方法
解説したとおり、幸福度が増す仕事は、
- 自由:その仕事に裁量権はあるか?
- 達成:前に進んでる感覚は得られるか?
- 焦点:自分のモチベーションタイプに合ってるか?
- 明確:成すべきことやビジョン、評価軸はハッキリしてるか?
- 多様:作業の内容にバリエーションはあるか?
- 仲間:組織内に助けてくれる友人はいるか?
- 貢献:どれだけ世の中の役に立つか?
これらの要素が含まれる場合が多い。
もし公務員の仕事が「これら全てを完璧に満たすぜ!」と言えたら何も問題はないんだけど、実際は、
- 大きな不満はないけど、同期がどんどん民間企業へ転職するので焦ってる
- 今の仕事は好きだけど、公務員の将来性に不安があり悩んでいる
- 上司が本当に嫌いだけど、それ以外は不満がない
こんな「なんか納得できない」ってボンヤリ悩む人が大半かと思う。
こういう人は、「転職をする」という選択肢を中心に考えるよりも、
- 現在の部署や内部をいかに良くするか?
- いかに今の業務に「やりがい」を見出すか?
こんな方向に注力する方が、正しいキャリア選択になることが多いんだ。
そして、この点において、現時点でもっとも効果が認められているのが、「ジョブクラフティング」というテクニック。
ジョブクラフティングをザックリ言うと、
「退屈な仕事に改めて深い意味を見出すこと」
と考えてもらえれば大丈夫。
ジョブクラフティングに関する話題で有名なのが、ある建築家によるエピソード。
- ある日、建築現場で働く作業員に対し、「あなたはどんな仕事をしているのか?」と質問をした
- その結果、Aさんは「石を細かく切っている」と答え、
- Bさんは「お金を稼いでいる」と回答し、
- Cさんは「美しい大聖堂を作っている」と回答をした。
建築の仕事を「石切り」や「日銭稼ぎ」と捉えているうちはモチベーションを見出すのは難しい。
でも、この認識を「美しい大聖堂を作っている」とシフト出来れば、日々の仕事での充実感は全く違うものになる。
だから、
「今の職場に大きな不満はないけど、このままでいいのかな…」
と悩んでいるならジョブクラフティングを試すことはかなりオススメだよ。
ザックリと解説すると次のとおり。
- 現在の仕事の内容を分析する
- 仕事で達成したい「価値観」や、どんな能力を発揮したいかを整理する
- 仕事へのマインドセットを新たな言葉で捉え直す
- 「具体的に今後はどんな行動をとるか?」を考える
具体的な方法は本書で確認してみてね
自分が組織や世間に対してどんな役割を果たしたいか考えて、ニーズを満たす行動をするだけで、今の職場での満足度は確実に変わるはず。
今の職場に不満を抱えている人はぜひ試してみてほしい。
「公務員だから仕事がつまらない」は誤り
でも転職したいほどの不満もない…
こんなあなたに向けて、著書「科学的な適職」を参考に解説したよ。
本書では、今回は解説できなかった、
- よくあるアドバイスが間違っている理由
- 人間が元から持ってるバグの正体
- ジョブクラフティングの具体的な方法
- …
など、非常に有益な情報が満載なので、ぜひ本書も読んで欲しい。
正しいキャリア選択の方法を理解すれば、あなたの人生は確実に充実するはずだよ
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この記事があなたの公務員人生において参考になれば幸いです。
それでは!