こんな悩みを持つあなたに向けて、この記事では科学的根拠に基づいたキャリア選択について、著書「科学的な適職」を参考に解説するよ。
- 「好きなことを仕事にしよう!」
- 「安定した業種を選ぼう!」
- 「スキルアップできる会社に入ろう!」
世の中には様々なキャリアアドバイスがあるよね。
一見すると、どれも説得力を感じてしまう。
でも、これらの意見には、「個人の経験や嗜好にしか基づいてない」という致命的な問題があるんだ。
個人的の主観に基づいたアドバイスなので、同じアドバイスでも、
- Bさん:仕事への満足度がアップ
- Cさん:仕事への満足度がダウン
こんな結果も普通に起きる。
これに関しては、1990年代から「キャリア選択」に関する研究が進んでいて、既に精度の高い答えが提示されており、
- 幸せになれる仕事とはどんなものか?
- 正しい選択をするために必要なことは何か?
こういった疑問について、実は、ある程度まで定量的な回答が出てるんだ。
今回解説する方法は、科学的な側面から正しいとされる方法だけを掲載した。
なので、これらの内容を全て理解して、実践できれば、あなたのキャリア選択の成功率は間違いなく上昇する。
ただ、文字数が膨大になり、この記事では本書の内容を全て説明することはできなかった。
だから、僕がこの記事で紹介するのは、本書に書かれた内容の一部に過ぎない。
なので、今回の記事を読んで本書に興味を持ったのなら、ぜひ実際に本を手に取って読んでみてほしい。
間違いなく、あなたのキャリアに対する捉え方が激変するはずだよ
目次
キャリア選択におけるウソ
まず知っておきたいのが、キャリア選択に関するウソについて。
キャリア選択でよく言われるアドバイスとして、
- 好きを仕事にしよう
- 給料の多さで選ぼう
- 業界や職種で選ぼう
- 仕事の楽さで選ぼう
- 性格テストで選ぼう
- 直感で選ぼう
- 適正に合った仕事を選ぼう
こんなアドバイスがある。
実はこれらは科学的には全て間違い。
短期的には喜びの感覚を与えてくれても、長期的には人生の満足度には関係ない。
この記事では上記7つのうち、僕が特に衝撃を覚えた、
- 好きを仕事にしよう
- 業界や職種で選ぼう
この二つに絞って、間違っている理由を解説していくよ。
誤解①:好きを仕事にする
「好きを仕事にしよう!」というアドバイスについて
現在のキャリアアドバイスで最もよく聞くのが、
「好きを仕事にしよう!」
というもの。
この考えはジョブズのスピーチで爆発的に広まったけど、似た発想は紀元前5世紀には既に存在しており、かの有名な孔子も、
「自分の愛することを仕事にすれば、生涯で1日たりとも働かなくて済む」
と言っていたそう。
こんなことを言うと、
多くの職業研究によれば、
自分の好きなことを仕事にしようがしまいが、最終的な幸福感は変わらない
という結果が出てるんだ。
例えば、2015年にミシガン州立大学が行った実験では、次のことが分かっている。
- 様々な職業に就く被験者の仕事感を2パターンに分類した
- パターン①:「好きを仕事にするのが幸せ」と考えるタイプ
- パターン②:「仕事は続けるうちに好きになる」と考えるタイプ
- 1~5年のスパンで見た場合、両者の幸福度などは②の方が高かった
このことについて、研究チームによれば、
「①のチームは情熱を持てる職を探すのが上手いが、実際はどんな仕事も好きになれない面がある」
と解説している。
どれだけ好きな仕事だろうと、現実には面倒だと思う場面は多いもの。
「好きを仕事に」という意識が強いと、現実の仕事に対するギャップを感じやすくなる。
そしてそのギャップが大きくなると、最終的には、
そして、その結果、
- 幸福度
- スキルの取得率
は低くなってしまうんだ。
「情熱を持てることを仕事に!」というアドバイスについて
また、「好きを仕事に」と並んでよく聞くのが、
「情熱を持てる仕事を探しなさい」
というアドバイス。
実はこれもデータとは相容れない。
2014年にロイファナ大学が多数の起業家を対象に行った調査によると、
- 今の仕事への情熱は、前の週に注いだ努力の量に比例する
- 過去に注いた努力の量が多いほど、現時点での情熱も増える
- 自分の仕事を天職と考えている人のうち、最初から今の仕事を天職と考えていた人はほぼいない
こんなことが分かっている。
要するに、
なんとなく始めた仕事だけど、努力してたら情熱が高まり天職になった
こんな人がほとんどだということ。
実際、ジョージタウン大学のカル・ニューポートは、
「天職に就くことができた人の大半は、事前に「人生の目的」を決めていなかった。彼らが天職を得たのは、ほとんどが偶然の産物だった」
こんなふうに結論づけている。
つまり、仕事の種類や内容は、あなたの適職に影響を与えないどころか、どんな仕事でも適職になり得る可能性を秘めているんだ。
誤解②:業界や職種で選ぶ
- 「なんとなく興味があるから」
- 「これからはフィンテックが伸びるから」
こんなふうに、業界や職種から仕事を選ぶのも、キャリア選択ではよく見かける。
でも、この考えも間違い。
理由は二つあって、
- 専門家でも有望な業界は予測できない
- 人間は自分の個人的な興味の変化すら予測できない
こういった理由があるから。
専門家でも有望な業界は予測できない
まず「専門家でも有望な業界は予測できない」という点について。
- 「伸びる業界と沈む業界はこれだ!」
- 「IRを参考に有望な会社を選ぶ方法」
こういった情報はよく見かけると思う。
でも実は、これら専門家の予想は基本的には当たらない。
それこそ、
- マッキンゼー
- オックスフォード
こんな名だたる機関であっても、予想の精度はコイントスと大して変わらないんだ。
「専門家の予想の精度」を調べた研究としては現時点で最も精度が高いものにペンシルベニア大学の研究チームが行った調査がある。
彼らは、1984年~2003年の間、248人の専門家を集めて、
- 経済
- 企業
- 政治
これらに関する3~5年後の状況を予想させた。
ところが、最終的に集まった28,000超の予測データをまとめた結果、
「専門家の予想はほぼ50%の確率でしか当たらない」
ということが判明したんだ。
専門家ですら50%しか未来は予測できない…
このことについて、著者のフィリップ・テトロックは、
「専門家の予想はチンパンジーのダーツ投げと同じ正確性しかない」
なんて表現している。
つまり、それほどまでに未来の予測なんてものはあてにならないんだ。
人間は自分の個人的な興味の変化すら予測できない
次に「人間は自分の個人的な興味の変化すら予測できない」という点について。
このことに関する有名な研究としては、ハーバード大学で行った大規模なリサーチがある。
研究チームは、18~68歳までの男女19,000人以上を集め、「好きな異性のタイプ」や「趣味」などを幅広く調べ上げた。
そしてその上で、被験者に対し、
- 「今後10年であなたの価値観や好みはどれくらい変わると思うか?」
- 「過去10年であなたの価値観や好みはどこくらい変わったか?」
こんな質問を行った。
すると、いずれの年齢層においても、
「ほぼ全ての被験者が10年で自分に起きる変化を過小評価していた」
という結果が出たんだ。
これって身近なところでもあって、
- 結婚を切望したのに、離婚したいと考える
- 「この会社で働きたい!」と燃えてたのに、転職を考える
- 若い頃に掘ったタトゥーを成人後に消したくなる
こんな話はあとを絶たない。
要するに、人は業界の未来だけでなく、僕たちは自分自身の変化ですら正確に予測することができない。
そんな不安定な状況で、
- 興味のある業界
- これから伸びるであろう業種
こんな部分に着目してキャリア選択をすることは誤った判断だと言えるんだ。
キャリア選択を考える際のポイント
今、解説した2つ以外にも、
- 給料の多さで選ぼう
- 仕事の楽さで選ぼう
- 性格テストで選ぼう
- 直感で選ぼう
- 適正に合った仕事を選ぼう
これらアドバイスは全て間違っているというのは先ほど解説したとおり。
ただ、こんなふうに言うと、
これに関して、本書では「仕事の幸福度を決める7つの徳目」というものをキャリア選択で重要視すべきと解説している。
- 自由:その仕事に裁量権はあるか?
- 達成:前に進んでる感覚は得られるか?
- 焦点:自分のモチベーションタイプに合ってるか?
- 明確:成すべきことやビジョン、評価軸はハッキリしてるか?
- 多様:作業の内容にバリエーションはあるか?
- 仲間:組織内に助けてくれる友人はいるか?
- 貢献:どれだけ世の中の役に立つか?
これらの要素を満たさない仕事は、
- 子どもの頃かあら夢見てた職業
- 誰からも憧れる職業
こんな職業でも、最終的な幸福度は上がらない。
でも逆を言えば、これらの要素が揃った仕事なら、どんなに世間的には低評価でも充実して働けるとも言えるんだ。
そんなキャリア選択で超重要な「7つの徳目」だけど、この記事では、特に僕の印象に残った、
- 焦点
- 貢献
この2点について解説するよ。
①:焦点
さきほどチラッと触れたけど、本書は「性格テスト」の大半はあてにならないというスタンスに立っている。
そんな中でも適職を探す上で役立つと考えられる唯一のテストが、「制御焦点」という性格テストなんだ。
この「制御焦点」は、人間のパーソナリティを次の2タイプに分けるという考え方。
- 攻撃型:競争に勝つのが好きで、金銭などの外的報酬に強い影響を受ける
- 防御型:自分の義理を果たすのが最終的なゴールで、安全な場所に身を置こうとする
こういったモチベーションタイプの有効性はコロンビア大学を始め、20を超える研究で裏づけされている。
例えば、2012年には105の先行研究をまとめたメタ分析が行われてた結果、
「攻撃型」と「防御型」の区別を使えば、個人の職場での満足度や仕事への取組み方などをある程度まで予測できる
と報告がされている。
自分のモチベーションタイプは次の16個の質問で判断することができるよ。
- どうやったら自分の目標や願望が叶えられるか、よく想像することがある
- 私は大抵、悪い出来事を避けることに意識を集中している
- 私は大抵、将来自分が成し遂げたいことに意識を集中している
- どうやったら失敗を防げるかについて、よく考える
- 私は自分の理想を優先し、自分の希望や願い・大志を叶えようと努力するタイプだと思う
- 自分の責任や役割を果たせていないのではないかと、よく心配になる
- 恐れている悪い出来事が自分に降りかかってくる様子をよく想像する
- 私は大抵、人生において良い成果をあげることに意識を集中している
- 職場での私は、仕事で自分の理想を叶えることを目指している
- どうやったら良い成績がとれるかについて、よく考える
- 将来、どんな人間になりたいかについて、よく考える
- 目標とする成績を取れないのではないかと、よく心配になる
- こうなったらいいなと願っていることが叶う様子を、よく想像する
- 職場での私は仕事での失敗を避けることを目指している
- 自分が将来そうなってしまったら嫌だと思う自分像について、よく考えることがある
- 私にとっては、利益を得ることよりも、損失を避けることの方が大事だ
上記の具体的な活用方法は本書で確認して欲しいけど、上記の質問を活用すると、自分のタイプが判断できるんだ。
ちなみに僕はやや攻撃型
焦点タイプが分かれば、自分にあった適職が見つけやすい。
具体的には、
- 攻撃型:進歩や成長を実感しやすい仕事
- 防御型:安心感と安定感を実感しやすい仕事
こんな仕事を選ぶと満足のいく仕事に繋がるんだ。
ちなみに焦点タイプは生まれ持ったモチベーションの特性なので、後から変えられるかどうかは不明。
なので、持ち前の気性に逆らわず、自分にとって自然な仕事選びをすることが大事なんだ。
②:貢献
「人のためになることをせよ」
こんなふうに言われたらキレイごとのように聞こえるけど、他者に貢献することのメリットは多くのデータが証明しているんだ。
シカゴ大学はあらゆる職種に就く男女を5万人ほど集め、「高い満足感を得やすい職業は何か?」という職業リサーチを実施した。
その結果、「満足度の高い仕事」のトップ5は次のとおりとなった。
- 聖職者
- 理学療法士
- 消防員
- 教育関係者
- 画家・彫刻家
一見すると、共通点は無いように見えるけど、実はこれらには、ある共通点があるんだ。
それが、
「他人に貢献する要素を持っている」
という部分。
事実、脳科学の研究でも、社会に役立つ行為をした直後には、頭の中にドーパミンがあふれ出すことが分かっている。
他人に親切にすることで幸福度が上がることを「ヘルパーズ・ハイ」と呼んでる学者もいるらしい
それは、他者へ親切することによって、
- 自尊心
- 親密感
- 自立性
これら欲求が満たされるからなんだ。
もちろん、違法な職業でなければ、他人のためにならない仕事は存在しない。
ただ、「他人の役に立った事実を可視化しやすいか」というのは仕事に満足感を覚える上ではかなり重要なポイントになる。
その点では、
- 消費者と触れ合える仕事
- クライアントと直接やりとりできる仕事
の方が幸福を感じやすいと言えるんだ。
今の仕事が自分にマッチしてるか判断する方法
先ほども解説したとおり、仕事を選ぶ上では、
- 自由:その仕事に裁量権はあるか?
- 達成:前に進んでる感覚は得られるか?
- 焦点:自分のモチベーションタイプに合ってるか?
- 明確:成すべきことやビジョン、評価軸はハッキリしてるか?
- 多様:作業の内容にバリエーションはあるか?
- 仲間:組織内に助けてくれる友人はいるか?
- 貢献:どれだけ世の中の役に立つか?
これら7つが大事だと本書では挙げられている。
これら全部が完璧な仕事であれば、何も問題はないんだけど、実際は、
- そんなに大きな不満はないけど、同期がどんどん辞めていくので焦っている
- 今の仕事は好きだけど、将来性に不安があり悩んでいる
- どうしても上司が気に入らないけど、それ以外は不満がない
こんな「なんとなく納得できない」とボンヤリした悩みを抱えてるかと思う。
そういつ人であれば、
- 現在の職場をいかに良くするか?
- いかに今の仕事に「やりがい」を見出すか?
これらに注力するのが、科学的に正しいキャリア選択になるんだ。
そして、この点において、現時点でもっとも効果が認められているのが、「ジョブクラフティング」というテクニック。
ジョブクラブティングとは「退屈な仕事に改めて深い意味を見出すこと」。
かみ砕いて言うなら、「今の仕事を自分の価値観に合うように、前向きに捉えなおそうぜ」ってかんじかな
ジョブクラフティングで有名なのが、ある建築家によるエピソード。
- ある日、建築現場で働く作業員に対し、「あなたはどんな仕事をしているのか?」と質問をした
- その結果、Aさんは「石を細かく切っている」と答え、
- Bさんは「お金を稼いでいる」と回答し、
- Cさんは「美しい大聖堂を作っている」と回答をした。
建築の仕事を「石切り」や「日銭稼ぎ」と捉えているうちはモチベーションを見出すのは難しい。
でも、この認識を「美しい大聖堂を作っている」とシフト出来れば、日々の仕事での充実感は全く違うものになる。
だから、
「今の職場に大きな不満はないけど、このままでいいのかな…」
と悩んでいるならジョブクラフティングを試すことはかなりオススメだよ。
ジョブクラフティングの方法をザックリと解説すると次のとおり。
- 現在の仕事の内容を分析する
- 仕事で達成したい「価値観」や、どんな能力を発揮したいかを整理する
- 仕事へのマインドセットを新たな言葉で捉え直す
- 「具体的に今後はどんな行動をとるか?」を考える
具体的な方法を解説すると長くなるので、ぜひ本書で確認してみてね
こんなふうに、自分が組織や世間に対してどんな役割を果たしたいかを考えて、そのニーズを満たす行動をする。
それだけで、あなたの今の職場での満足度は確実に変わるはずなので、今の職場に不満を抱えている人はぜひ試してね。
科学的な適職の選び方を解説したよ
今回は、「今の仕事を続けるべきか?」という悩みを解決する方法を、著書「科学的な適職」を参考に解説したよ。
本書では、この記事では解説ができなかった、
- 大半のキャリア選択に関するアドバイスが間違っている理由
- 人間が元から持ってるバグの正体
- ジョブクラフティングの具体的な方法
- …
など、非常に有益な情報が満載なので、この記事が役に立ったと思う人は、ぜひ本書も読んで欲しい。
正しいキャリア選択の方法を理解すれば、あなたの人生は確実に充実するはずだよ
ちなみにだけど、
こんな人は「Kindle Unlimited」を使って、無料で読むことをオススメするよ。
「Kindle Unlimited」は、Amazonが行ってる定額制の本読み放題サービスなんだけど、
- 値段:最初の30日間はタダ(それ以降も980円)
- 媒体:スマホ1台あればOK
- 読める本:「科学的な適職」など10万冊以上のベストセラー
- 手続き:入会も退会も10秒程度(退会時にウザい引き止めも無し)
こんなかんじで、かなりオススメできるサービス。
僕は年間で100冊ほど本を読むけど、8割以上は「Kindle Unlimited」にある本を読んでるから、書籍代は普通に本を買う人よりも90%くらい安く済んでるよ
30日以内に退会すれば無料だし、スマホがあれば10秒ほどで利用できるので、まだ使ってない人はぜひ試してみてね。
この記事があなたにとって参考になれば幸いです。
それでは!