ボクシングシューズは代用できる?元ボクサーが初心者の靴選びを解説
ボクシングジムの体験を予約したら、「室内用の運動靴を持ってきてください」と言われた。
家にあるのは、通勤やジョギングで履いている運動靴だけ。ボクシングシューズを調べてみたら、1万円前後もする。
続くかどうかも分からないのに、いきなり買うのはちょっと怖いよね。
しかもネットで調べると、「ボクシングシューズの代用は危険」という記事もあれば、「最初は何でもいい」という声もあって、どっちを信じればいいのか分からなくなる。
僕は大学4年からボクシングを始めて、週5のジムワークを2年続けた元ボクサー。お世話になったジムは4か所で、対外試合にも出たよ。
そんな僕の結論を、先に書いておくね。
- 最初は手持ちの室内用の運動靴で十分。ボクシングシューズはいらない
- ただし、外で履いた靴と、底が厚くてグラつく靴はダメ
- 専用のボクシングシューズは、スパーや試合を考えはじめてからでいい
迷ったら、ボクシング以外にも使える室内用のシューズを1足用意しておけばOK。たとえば、アシックスのインドアシューズ「GEL-ROCKET 12」なら6,000円台で買えるよ。
今回は、ボクシングシューズを代用するときの靴の選び方を、元ボクサーの目線でまとめていくよ。
【結論】ボクシングシューズは代用できる?最初は手持ちの室内用運動靴でOK

まずは、いちばん知りたい答えから。
ボクシングシューズは、代用できる。少なくとも、始めたばかりのうちは専用シューズがなくても練習できるよ。
実際、ジムの体験に行くときの持ち物は、だいたいこんなかんじ。
- 運動着
- 室内用の運動靴
- 飲み物
- タオル
ジムから言われるのは「室内用の運動靴」であって、「ボクシングシューズ」じゃないんだよね。
僕の考えでは、学生時代に使っていた体育館履きがあれば、最初はそれで十分。わざわざ新しく買わなくてもいい。
代用していい靴・ダメな靴を、表にまとめるとこうなる。
| 靴 | 代用 | ひとこと |
|---|---|---|
| 体育館履き・室内用スニーカー | OK | まずはこれで十分 |
| インドアシューズ(バレー・バドミントン・フットサルなど) | OK | 床をつかみやすく、横の動きにも強い |
| レスリングシューズ | OK | 形がボクシングシューズに近い。床によってはグリップが強すぎることも |
| ランニングシューズ | 条件つき | 底が薄めで、室内専用にしているならOK |
| 底が厚いランニングシューズ | NG | 踏ん張りがきかず、足首がグラつく |
| 外で履いている靴 | NG | ジムの床が汚れるので、そもそも履けない |
| 底がすり減ってツルツルの靴 | NG | 汗で濡れた床で滑る |
| 裸足 | ジムのルール次第 | 入会前に確認しておこう |
ポイントは、「ボクシングシューズかどうか」ではなく、滑らないか、グラつかないかで選ぶこと。
「代用は危険」って言われるのは、滑る靴やグラつく靴で練習するのが危ないから。代用そのものがダメなわけじゃないよ。
ランニングシューズは「底の厚さ」で決まる
いちばん迷うのが、ランニングシューズだと思う。
このブログでも以前、「ボクシング用に買うなら、普段から使えるランニングシューズがいい」と書いてきた。普段も使えるシューズを選ぶ、という考え方は今も同じ。
ただ、ここは書き足しておきたい。ランニングシューズなら、底が薄めのものに限る。最近よく見る底が分厚いタイプは、ボクシングには向かないんだ。
ランニングシューズは、前にまっすぐ走るために作られている。かかとのクッションが厚いぶん、前後左右に細かく動くボクシングでは、踏ん張りがきかずに足首がグラつきやすいんだ。
なので、ランニングシューズで代用するなら、次の2つを満たしているものにしよう。
- 底が薄めで、床の感触が足に伝わる
- 外では履かず、室内専用にしている
家にある厚底のランニングシューズしかないなら、最初の体験は体育館履きを探すか、安い室内用シューズを1足用意するのがおすすめだよ。
裸足はジムのルール次第
ちなみに、裸足で練習していいかどうかは、ジムのルール次第。
キックボクシングのジムでは裸足で練習することも多いけど、ボクシングジムは室内履きが基本のところが多い。体験の予約をするときに、一言聞いておくと安心だよ。
ジムの練習メニューで、靴にかかる負担
「とはいえ、ボクシングってそんなに足を使うの?」と思うかもしれない。
ジムの練習は、だいたいこんな流れで進む。
- ウォームアップ(ストレッチ・縄跳びを4〜5ラウンド)
- シャドーボクシング(2〜3ラウンド)
- サンドバッグ(2〜3ラウンド)
- ミット打ち(2〜3ラウンド)
- スパーリングやマスボクシング(初心者は呼ばれないことも)
- 補強の筋トレ(腕立て・腹筋・スクワット・懸垂)
これを1時間から1時間半かけてやる。
この中で、僕が靴の差が出やすいと思うのは、最初の縄跳びと、シャドー・サンドバッグでのフットワーク。
縄跳びは、1ラウンド3分を4〜5ラウンド。そのあいだ、何百回も着地をくり返すことになる。底がすり減った靴だと着地のたびに足がすべりやすいし、分厚い靴だと足首が安定しにくい。
シャドーやサンドバッグでは、前に踏み込んでパンチを打ち、すぐに下がったり横に回ったりする。この「止まる・切り返す」が、靴のグリップを一番ためされる場面なんだ。
パンチの練習でも、足はずっと動いてるんだよね。だから靴は意外と大事。
代用するときに一番大事なのは「滑らないこと」

ここが、この記事でいちばん伝えたいところ。
靴を代用するときにチェックしてほしいのは、デザインでも値段でもなく、
「汗で濡れた床でも、滑らないかどうか」
なんだ。
ジムの床は、想像以上に汗で滑る
ボクシングの練習って、とにかく汗をかく。
特に夏のジムは、冗談抜きで蒸し風呂。練習していると、足元に汗の水たまりができるくらいなんだ。
その汗の水たまりで足を滑らせて、
- ヤバい角度で開脚してしまった人
- 骨や関節を床に打ちつけた人
を、僕は実際に見たことがある。
あれを見てから、靴底のグリップは本当に大事だと思うようになったよ。
チェックするのは3つだけ
代用する靴は、次の3つを確認しておけば大丈夫。
- 底のグリップ:ツルツルにすり減っていないか
- 底の厚さ:床をしっかり踏ん張れるか
- 足首の安定:横に動いたときにグラつかないか
ボクシングは、ジャブを打ちながら前に出て、パンチをもらわないように後ろや横に動く。前後左右に細かく足を使うスポーツなんだ。
だから、横の動きに弱い靴は、それだけでケガのもとになる。
家でできる、かんたんな確かめ方
手持ちの靴が代用できるかどうかは、家でも確かめられる。
- 靴底を見る:溝が残っているか。ツルツルにすり減っていたらアウト
- その場で横にステップしてみる:足首がグニャっと外に倒れないか
- つま先立ちで小さく跳んでみる:かかとのクッションで体がグラグラしないか
この3つで不安がなければ、最初の体験はその靴で十分だと思う。
ちなみに、ボクシングのリングの床も、靴が滑らないような素材で作られている。それくらい、ボクシングでは「滑らないこと」が大事にされているんだ。
ボクシングジムに履いていく靴は、袋に入れて持っていく
室内用の靴は、外で履いて行かずに、袋に入れて持っていこう。ジムに着いてから履き替えればOK。
外で履いた靴でジムの床を歩くと、砂や汚れが床に残る。床が汚れると、それだけで滑りやすくなるし、ほかの練習生にも迷惑がかかるからね。
ボクシングジムでは、脱いだ靴をそろえて置く
体験の日、ジムのドアを開けると、練習生やトレーナーから一斉に挨拶される。そこで意外と見られているのが、脱いだ靴の置き方。
ジムに入ったら挨拶をする、靴はそろえて置く、着替えた服はたたんで端に置く。こういう基本的な礼儀を大事にしているジムは多いんだ。
技術より先に、こういうところをしっかり教えてくれるジムが多いよ。最初にきちんとしておくと、印象もいいはず。
靴下は、すべりにくいものを
靴の中で足がすべると、せっかくグリップのいい靴を履いても踏ん張りがきかない。
汗をかくと靴の中もすべりやすくなるので、靴下は厚すぎず、足にフィットするものを選ぶといいよ。
ボクシングシューズとレスリングシューズの違い(いちばん近い代用品)

ここからは、「手持ちの靴じゃ不安だから、何か買おうかな」という人向けの話。
代用品として形がいちばん近いのが、レスリングシューズ。まずは本家のボクシングシューズの特徴から見ていくね。
ボクシングシューズの特徴
ボクシングシューズは、ほかの運動靴とくらべて、かなり個性的な形をしている。
- 底が平らで薄い
- くるぶしまで覆うハイカット
底が平らで薄いのは、床をつかんで踏ん張りやすくするため。ハイカットなのは、足首を支えて、細かいステップでもグラつかないようにするためなんだ。
ただ、この個性的な形のせいで、ボクシング以外の場面では履きにくい。普段履きにすると、正直けっこう目立つ。
普段履きには向かないから、続くか分からないうちに買うのはもったいないと思う。
ボクシングシューズはなぜハイカットなの?
「なんでボクシングシューズって、くるぶしまであるの?」という疑問も、よく見かける。
理由はシンプルで、足首を支えて、グラつきにくくするためと言われている。
ボクシングでは、つま先に体重をのせたまま、前後左右に小刻みにステップを踏む。パンチを打つときは、後ろ足で床を蹴って体をひねる。
そのたびに足首には、横向きの力がかかる。くるぶしまで覆うのは、その足首を支えて安定させるための設計なんだ。
最近は、ローカットのボクシングシューズも売られている。足首が自由に動くぶん軽く感じるけど、そのぶん足首を支える力は弱くなる。
- ハイカット:足首が安定する。フットワークを覚えはじめた初心者向け
- ローカット:軽くて動きやすい。足首が強く、動きに慣れた人向け
初めての1足なら、ハイカットを選んでおくのが無難だと思う。
レスリングシューズは「いちばん近い代用品」
その点、レスリングシューズは、ボクシングシューズにかなり近い作りをしている。
底が薄くて床をつかみやすいし、足首まで覆うタイプも多い。マットの上で前後左右に動くための靴なので、ボクシングの動きとも相性がいいんだ。
違いをざっくりまとめると、こんなかんじ。
| ボクシングシューズ | レスリングシューズ | |
|---|---|---|
| 作られた目的 | リングでのフットワーク | マットの上での組み合い |
| 底 | 平らで薄い | 薄く、床をつかみやすい |
| 足首 | ハイカットが多い | ハイカットが多い |
| 使い道の広さ | ボクシング中心 | レスリングなど格闘技全般 |
ただし、レスリングシューズはマットの上で踏ん張るための靴なので、ジムの床によってはグリップが強すぎて、足をくるっと回す動き(ピボット)が引っかかることもある。
その点だけ気をつければ、代用するときに候補に入れていい靴だよ。
専用のボクシングシューズに替えるタイミング

じゃあ、ボクシングシューズはいつ買えばいいのか。
僕の考えでは、次のどれかに当てはまったら、替えどきだと思う。
- フットワークを本格的に習いはじめた
- スパーリングが始まった
- 試合やプロテストを考えはじめた
- 今の靴が滑る・底がすり減ってきた
- 学校や普段の運動で使っている靴を、ボクシングで傷めたくない
逆に言えば、趣味や運動不足の解消で続けるなら、ずっと代用のままでも問題ない。
初めてのスパーリングの持ち物を書いた記事でも、ボクシングシューズを挙げてる。スパーが始まるころが、ちょうど買いどきだと思うよ。
ボクシングを始めてすぐに、本当に買わなきゃいけないのは、拳を守るバンテージくらい。グローブはジムが貸してくれることが多いし、シューズや運動着は、手持ちのもので十分始められる。
逆に、バンテージだけはケチらない方がいい。僕は大学時代、バンテージの代わりに軍手でサンドバッグを本気で叩いて、拳の皮がズルむけになった。お風呂に入るたびに痛くて、1週間くらいまともに練習できなかったんだ。
バンテージは安いものなら300円くらいからある。靴は代用でいいけど、拳を守るものは最初に用意しておこう。
まずは手持ちの靴で始めてみて、続けられそうだと思ったタイミングで、専用のシューズを考えれば大丈夫だよ。
買うならどう選ぶ?代用シューズと専用シューズの選び方

最後に、実際に買うときの選び方をまとめておくね。
代用シューズを買うなら:ボクシング以外でも使えるものを
代用のために室内用シューズを買うなら、ボクシング以外の場面でも使えるものを選ぼう。
せっかく買うなら、筋トレやフットサルなど、いろんな運動で使えた方がお得だからね。
- 底が薄めで、グリップが効く
- 室内専用にできる(外では履かない)
- 筋トレやほかのスポーツでも使える
専用シューズを買うなら:ハイカットと定番メーカー
ボクシングシューズを買うなら、ハイカットを選んでおくのが無難。足首を支えてくれるので、フットワークを練習しはじめた初心者にこそ向いているよ。
メーカーは、アシックスやミズノのような、名前の知られたスポーツメーカーを選んでおくと安心。
ボクシングシューズは1万円前後のものが多い。ジムの月謝が1万円くらいなので、ほぼ1か月分。室内用のシューズならもっと安いものも多いので、まずは代用で始めて、続けられそうなら専用シューズへ、という順番にすれば、お金を無駄にしにくいよ。
サイズは、練習で履く靴下を履いた状態で合わせるのがコツ。ボクシングシューズは足首までしっかり包む作りなので、きつすぎると細かいステップがやりにくくなるし、ゆるいと靴の中で足がずれて踏ん張れない。
よくある質問
ロードワークの靴は、ふつうに市販されているランニングシューズで大丈夫。ただ、外で走った靴をそのままジムで履くのはNG。ジム用は、室内専用の1足を分けておこう。
ジムによって違うので、忘れたらまずはスタッフに相談してみよう。ただ、外履きのままで練習するのは基本的にNGなので、前日に準備しておくのが安心だよ。
まとめ

今回は、ボクシングシューズは代用できるのかを解説したよ。
ポイントをもう一度まとめるとこう。
- 最初は手持ちの室内用の運動靴で十分(体育館履きでもOK)
- 代用するなら、滑らない・グラつかない靴を選ぶ
- ランニングシューズは、底が薄めで室内専用ならOK。厚底はNG
- 専用シューズは、スパーや試合を考えはじめてからでいい
靴にお金をかけるより先に、まずはジムに行ってみること。それが一番大事だと思う。
まずは、ボクシング以外にも使える室内用シューズを1足用意してみてね。アシックスの「GEL-ROCKET 12」は、バレーやバドミントンなど体育館のスポーツ向けに作られたインドアシューズ。底が薄めで床をつかみやすいので、ボクシングの代用にもぴったりだと思う。
フットワークを本格的に習いはじめて、もう少しボクシングシューズに近いものがほしくなったら、形がいちばん近いレスリングシューズも候補になる。アシックスの「MATFLEX 8」は、ハイカットで7,000円台。本物のボクシングシューズより手に取りやすい値段なのもうれしいところ。
グローブを何オンスにするか迷っている人は、こっちの記事も読んでみてね。
ぜひ、自分に合った靴で、ボクシングを楽しんでね。
それでは。









