こんなときはどう対処すべきでしょうか。
既婚のサラリーマン男性のみなさん。奥さんが急にイライラしだして困ったことはないですか?
僕はしょっちゅうあります。笑
それこそ、
- 寝起きから既に不機嫌モード全開で
- どう考えてもこちらに非はないし
- 怒ってるか聞いたら「怒ってるか聞かれて怒ったわ」って返ってくるし
結構大変ですよね。うん。
今回はそんな男性の方に向けて、心理学的な観点から、奥さんが急に不機嫌になったときの考え方をアドバイスさせていただきます。
この記事を読んでいただけたら、奥さんの急なイライラに対しても、寛容な気持ちで対応できるようになるかと思います。
まぁ、偉そうに「アドバイス」とか書いてますが、この記事は僕自身の自戒も込めた説明だと思ってください。笑
それでは説明していきます。
奥さんに八つ当たりをされてイライラしている男性諸君
奥さんにイライラをぶつけられたときの考え方
人は行動の原因を『性格』に求める
まずはじめに、あなたにこんな質問をしたいと思います。
今日は奥さんと久しぶりのデートです。しかし、しばらくすると、奥さんが些細なことで怒り始めました。こんなときあなたの考えに近いのはどちら?
- A.「本当に彼女は怒りやすい性格だな」
- B.「何かイライラすることがあったのかな…?」
答えは決まりましたか?
この質問への回答に関する説明はあとで行うとして、まずは、ある実験について説明をしたいと思います。
アメリカの心理学者であるスタインメッツらは次のような実験を行いました
- 被験者をランダムに、「司会者」「回答者」「観客」の3グループに分けた
- 「司会者」にもともと用意してあった問題を出させ、「回答者」に答えさせ、それを「観客」に見学をさせた
- このクイズが一通り出題された後に、「観客」に「司会者」と「回答者」について質問を行った
- その結果、「司会者」の方が「回答者」よりも頭が良くて知識も豊富だというイメージが出来ていることが判明した。
- さらに、「解答者」に質問したところ、同様に、 「司会者」の方が「回答者」よりも頭が良くて知識も豊富だというイメージが出来ていることが判明した。
この実験のポイントは2点あって、
- 配役はランダムなので、実際は必ずしも、司会者の方が回答者よりも常に頭が良いわけではない
- 配役をランダムに決めたことを知ってるにも関わらず、多くの人は司会者の方が賢そうだと考えた
という点です。
つまり、客観的な状況だけを冷静にみれば、
「司会者は問題を読んでいるだけだから色々な事を知っているように見えるだけ」
と考えられるはずですが、実際は、多くの人が、
「司会者はあれだけ多くの問題の答えを知っているのだから、頭もよくて知識が豊富なのだろう」
と考えていたことになります。
この実験から、「人は、原因や状況をハッキリ理解していたとしても、『状況』ではなく『性格』による行動だと考えてしまうという生き物」だと言えますね。
この他にも似たような実験は多くありますが、どの実験も、ある人が強制的に何かをやらされていることを周囲の人が知っていたとしても、「その人の性格による行動だ」と思ってしまうという結果になっています。
あなたは「性格」と「状況」のどちらで考える人か
このことを踏まえて、先ほどの質問に対し、あなたはどのように答えたでしょうか?
今日は奥さんと久しぶりのデートです。しかし、しばらくすると、奥さんが些細なことで怒り始めました。こんなときあなたの考えに近いのはどちら?
- A.「本当に彼女は怒りやすい性格だな…」
- B.「何かイライラすることがあったのかな…?」
恐らく大半の人はAと回答したかと思います。
ですが、Aと回答した人は要注意。
「こういう理由だから(奥さんはこういう性格のせいだから)」
と考えてしまいがちです。
『性格』に原因を置く人は、無意識に自分の判断を裏付ける事実ばかり集めてしまいがちです。
相手が怒らないことがあったり、笑っていることが多くても、「この人は怒る性格だ」という思い込みから、それ以外の事実に目を向けず、忘れてしまうようになってしまいます。
その結果、
「怒っていた記憶ばかりが残っている…。やっぱりこの人は怒りっぽい性格だ!!」
と結論付けてしまう可能性があるので、注意が必要です。
一方、Bを選んだ人はとても冷静な人です。
奥さんに対してソフトに接することができているはずですし、奥さんがイライラしているときも、
「デートの前に何かイライラするようなことでもあったのかな…?」
と考えられているのではないでしょうか。
ただ、こうやって相手の状況をおもんばかるような思考ばかりを繰り返しすぎるのも問題です。
それこそ相手のことをエンドレスに許し続けてしまいますし、悪く言えば、奥さんを甘やかした結果、ナメられる可能性もあります。
それにしても、こうやって「相手の性格」で考えてしまうことって、身近に結構ありますよね。
例えば、頼んでいた仕事を相手が忘れていた場合、
たまたま忙しかったんだろうな。偶然にも他の事をしていて忘れちゃったんだろうな…
と『状況』のせいと思える人は非常に少ないもので、多くの人は、
これは自分のことを軽く見ているからに違いない。この人は性格的にこういうボーっとした人なんだ。
なんて考えるかと思います。
こういった思考の傾向は、夫婦や恋人の間で特に顕著です。
相手との関係が近くて長くなるほど、『性格』で相手の行動を捉える傾向は、無意識のうちに強くなります。
僕自身を振り返っても、妻の行動を『性格』で考えるようになったのは結婚して数年経ってからで、交際をしていた3年の間は、むしろ『状況』で考えられていました。
しかし、相手の行動を『性格』で考えてしまうようになると、関係はドンドン悪くなる一方です。
大事なのは相手の立場をイメージすること
あなたが、相手の行動を『性格によるもの』だと考えてしまう傾向にある場合、
人は『性格』のせいにしやすいということをしっかり理解しておくこと
これがとても重要になります。
事実、心理学者のセルジュ・シコッティは、
相手の立場をイメージすることが大切だ
と提唱しています。
つまり、奥さんの行動で不快に思うことがあったとしたら、彼女の毎日をイメージしてあげてください。
例えばデートの最中、急に機嫌が悪くなったとしても、
- 急に仕事であった嫌なことを思い出したのかもしれない
- すれ違った人がジロジロ見てきて不快だったのかもしれない
こんなかんじで理由があったのかもしれません。
「自分と同じ性格でその状況に置かれたらどうなるだろう」と考えるだけで、奥さんに対しても優しく振る舞えるはずです。
まとめ
今回の記事をまとめると次のようになります。
- 人は誰かの行動を「性格によるもの」と考えがち
- しかし、それだと相手との関係は悪くなる一方
- 大事なのは相手の状況をイメージしてあげること
大事なことは、その人との関係を諦める前に、あと一歩だけ、相手の立場と行動を考えてあげることだと思っています。
「それは相手の性格が原因じゃないんだ」
こうやって考えることが、何より夫婦の関係を良好に保つ秘訣なのかもしれません。