恐らく99%の人は、睡眠時間を削ると、
- 死亡リスクが高くなる
- 注意力が散漫になる
- 日中に眠くて集中できなくなる
こんな悪影響があると考えているかと思います。
みなさんの周りでも、もはや「常識」になっている話かと
ですが実は、短眠が健康に悪影響をもたらすという意見について、科学的な根拠が存在しないことをご存じでしたか?
このことについて、「マンガで分かる肉体改造~短眠編~」を参考に解説していきます。
分かりやすくするために、マンガのかたちにしてますが、
- 現役医師が執筆をした本である
- 本作中で根拠も十分に示されている
こんなところから、信頼性は十分な一冊かと思います。
この記事を読んで短眠に興味を持ったら、実際に本書を買うことをオススメします
誤解1:死亡リスクが高くなる
これは短眠のリスクとして挙げられる代表例かと思います。
この意見を裏付ける代表的な調査に、アメリカのカリフォルニア大学とガン協会が行った調査があります。
- 110万人の入院患者を対象に睡眠時間と死亡率を調査した
- その結果、睡眠時間が7時間前後の人がもっとも死亡率が低かった
確かにこの調査結果を見る限り、睡眠時間と死亡リスクには相関関係があるように思えます。
ただ、この調査には注目すべき点があります。
それが、「入院患者を調査対象にしている」という点です。
そもそも入院している患者ならば、起床時間と消灯時間は、基本的には病院が決めているはずです。
それでも睡眠時間が極端に短かったり長かったりするのであれば、そこには当然、何かの理由があると考えることができます。
例えば次のようなケースです。
- 重病で寝れない:結果的に睡眠時間が短くなった
- 寝たきりの患者:結果的に睡眠時間が長くなった
これらの人は死亡率が上がっても当然かと。
つまり、
- 睡眠時間が直接的な死亡の原因とは断言できない
- 病気が、死亡率と睡眠時間に影響を与えた可能性がある
というわけです。
いずれにせよ、この調査結果をもって、短眠が死亡リスクを上昇させると断定することはできません。
誤解2:注意力が散漫になる
こんな話もよく聞くかと思います。
これについては、ペンシルベニア大学で行われた次の実験が根拠にあげられています。
- 普段の睡眠時間が7~8時間の健康な男女48人を調査対象とした
- その48人を①徹夜②4時間睡眠③6時間睡眠④8時間睡眠のグループに分けて生活させた
- 数日後から、①のグループは注意力や運動力が低下した
- 加えて2週間もたつと、②、③のグループも①と同程度に注意力などが低下した
- さらに、彼らは自分の注意力の低下に気づいていなかった
この実験は非常に有名で、ビジネス書やテレビ等で「短眠は健康に悪い」と主張されるときの根拠によく引用されます。
確かに一見すると、「短眠で注意力が散漫にするのは紛れもない事実」と断定できるかと思います。
しかし、この実験、実は次の条件下で行われたことをご存じですか?
- 調査期間(2週間)の間、窓一つない部屋から外出禁止の状態で共同生活を送っていた
- シャワー・トイレ意外は常に監視をされていた
- 睡眠時間の管理のために数分ごとに大声で名前を呼ばれ続けた
- ネットやゲームなどの娯楽は一切なかった
- 唯一のゲームが「表示された数が5より大きければスペースキーを押す」というもの
このように、日常とは全く異なる環境下での生活を強制されていたものでした。
また、「注意力が低下した」という主張についても疑問が生じます。
その意見の根拠は、上で説明した「表示された数が…」というゲームの反応速度でしたが、反応速度の差は、
- 8時間睡眠…0.25秒
- 4時間睡眠…0.30秒
と微々たるものでしかなかったようです。
0.05秒の差なんて、元気なときに実験しても起きうる誤差かと
要するに、
- 日常からかなりかけ離れた不自然な状況で
- 誤差ともとれる反応速度の低下が見られた
このことをもって、短眠が注意力を散漫にさせると断言することは難しいと言えます。
誤解3:日中に眠くて集中できない
実感値として大半の方はこのように考えているかと思います。
このことに関連して、研究者のメアリー・カスケイドンは次のような実験を行いました。
- 被験者をAとBに分ける
- AB両方を3時間の睡眠を行わせる
- その後、Aには「3時間しか寝ていない」と事実を伝える
- 一方、Bには「8時間寝ていた」とウソを伝える
- その結果、Aには睡眠不足の症状が出たが、Bは何も問題なく生活を送れた
この実験から分かるとおり、
人は『思考』や『感じ方』にモロに影響を受けます。
つまり、
- 睡眠時間が3時間だった
- その結果、眠気が生じる
こういったプロセスは実は誤りで、
- 「睡眠時間が短いと日中に眠くなる」と思っている
- 睡眠時間が3時間だった
- 睡眠時間が3時間だった事実を認識する
- その結果、眠気が生じる
こんなプロセスで眠気を感じている可能性があることになります。
要するに「眠気は気の持ちようによる部分が大きい」ということです
短眠を始める前には知識武装を十分に!
今回は「短眠が健康に悪影響という意見に根拠は存在しない」ことを解説しました。
もし今回の記事で短眠に興味が湧いたら、ぜひ短眠を生活習慣に取り入れることをオススメします。
もちろん睡眠には個人差があり、短眠が体に合わない人もいるかと思います。
それでも、1日を27時間に出来る可能性があるのであれば、一度挑戦する価値はあるのではないでしょうか。
僕自身、
- 短眠前: 8時間は寝ないとダメだと思っていた
- 現在:3時間程度の睡眠で支障なく生活している
こんな変化がありました。
しかも、8時間寝てたときよりも活動的になった実感があります
ですので、「ひとまず試してみて、無理そうなら諦めよう」くらいの軽い気持ちから挑戦してもらえればと思います。
ただし、一点だけ注意したい点があります。それは、
必ず、論理的な知識武装を十分に行ってから短眠に取り組むこと。
「短眠」というのは、今までの自分の常識に反する行動になります。
そのため、中途半端な知識だと、「やっぱり短眠は体に悪そうだし…」と途中で諦めてしまう可能性が高いです。
この記事を読んで100%信用していただけたら嬉しいですが、一個人のブログを読むだけでは正直、難しいかと思います。
ですので、短眠に取り組む際は、今回紹介した本を読むなど、短眠が健康に影響ないと十分に理解した上で挑戦してください。
今回の記事があなたの生活に少しでも役立てば幸いです。
それでは!